ジェンダーフリーとは?ジェンダーレスとの違いや課題・企業の取り組みを紹介


ジェンダーフリーとは?ジェンダーレスとの違いや課題・企業の取り組みを紹介

当記事では、多くの企業が注目しているジェンダーフリーについてわかりやすく解説します。この記事を読めばジェンダーフリーとはどんな取り組みか、どんな企業メリットが得られるのかがわかるでしょう。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

当記事では、多くの企業が注目しているジェンダーフリーについてわかりやすく解説します。この記事を読めばジェンダーフリーとはどんな取り組みか、どんな企業メリットが得られるのかが理解できるでしょう。取り組み事例も紹介するので参考にしてください。


ジェンダーフリーとは

ジェンダーフリーとは男性・女性という従来の固定的な性別像にとらわれず、1人の人間として自由に能力を発揮し、生活していくことです。


ジェンダーは日本語で「社会的性別」と訳されますが、この概念は「男性はこうあるべき」、「女性はこうあるべき」といった社会的通念や慣習から作り上げられた「男性像」と「女性像」を指し、生物学上の性別区別ではありません。社会的性別から生じた、性別による固定的役割分担や偏見といった差別をなくそうという考え方や取り組みがジェンダーフリーと呼ばれています。


ここで併せて理解しておいてもらいたいのが、ジェンダーレスとの違いです。両者は似たような意味を持ちますが、下記のように似て非なる言葉です。


  • ジェンダーフリー:性別による差別をなくす
  • ジェンダーレス:性別による区別をなくす


職場を例に挙げれば、男性にも育児休暇を認めるのがジェンダーレスであり、女性の制服着用義務の撤廃がジェンダーフリーと言えます。


ジェンダーギャップ指数とは

ジェンダーギャップ指数とは男女格差を数値化したもので、「男女平等格差指数」とも呼ばれます。ジェンダーフリーがどれくらい進んでいるかが測れる指数と言えるでしょう。


経済・教育・健康・政治の分野および、これらの総合スコアが2006年から毎年スイス非営利財団世界経済フォーラムによって発表されています。

世界のジェンダーギャップ指数

ジェンダーギャップ指数は世界146カ国のランキングデータが公表されるため、各国が自国のジェンダーフリーの進捗程度がわかります。


ジェンダーギャップ指数の上位国、および主要国の総合順位は下記のとおりです。



順位

国名

1位

アイスランド

2位

フィンランド

3位

ノルウェー

4位

ニュージーランド

5位

スウェーデン

10位

ドイツ

15位

フランス

22位

英国

25位

カナダ

27位

米国

63位

イタリア

79位

タイ

83位

ベトナム

92位

インドネシア

99位

韓国

102位

中国

116位

日本

日本のジェンダーギャップ指数から見える課題

それではジェンダーギャップ指数から見える、ジェンダーフリーの課題を考察してみましょう。


先の順位結果を見れば、日本は先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中でも低レベルなのは明白です。しかし、これは総合順位であって、各分野の順位が全て低レベルなわけではありません。


分野

順位

経済

121位

政治

139位

教育

1位

健康

63位


経済・政治分野の順位は総合順位と同様に低レベルですが、教育・健康分野の順位は世界トップレベルです。総合順位で下位に甘んじる原因は、教育・健康分野の指数の低さにあることが見て取れます。課題はこの両分野での改善にかかっていると言えるでしょう。


しかし、この両分野の指標改善には、政府決定した「女性版骨太の方針2022」にて政府主導の取り組みを開始しています。


  • 経済分野 ⇒ 女性の経済的自立:女性が多く働く分野の収入引上げ
  • 政治分野 ⇒ 女性の登用目標達成:男女共同参画の取り組みを後押し


2022年には世界経済フォーラム主導の「ジェンダー平等加速プログラム」への日本参加も決定しました。今後の指標改善の加速に期待したいところです。

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企業がジェンダーフリーに取り組む理由


日本でも多くの企業がジェンダーフリーの取り組みに着手しています。ここでは、企業がジェンダーフリーに取り組むことで得られるメリットから、その理由を考察します。


ジェンダーフリーの取り組みで得られる、主なメリットは下記の3つです。


  • 多様な人材が雇用
  • 投資先としての価値向上
  • グローバル化の推進


順を追って、各メリットの詳細を確認しましょう。

多様な人材を雇用するため

企業の価値を高めるために欠かせないのが、優秀な人材の確保です。しかし、労働人口の減少が進む昨今では、それも簡単なことではありません。優秀な人材が働きたいと思う職場環境でなければ、思うような人材雇用もかなわないでしょう。


しかし、ジェンダーフリーに取り組めば、多様な人材採用が可能になるダイバーシティ経営が実現できます。安定的に企業価値を高め続けられる、優秀な人材雇用に期待ができるでしょう。

投資先としての価値向上のため

SDGsで「ジェンダー平等を実現しよう」が達成目標とされたことで、海外の機関投資家の間でジェンダー投資が注目されるようになりました。これは日本でも同様です。事実、機関投資家へのアンケート調査では、女性活躍情報が企業業績へ長期的影響を及ぼすと約9割の人が回答しています。


そのため、ジェンダーフリーに取り組んでいる企業は、投資家の間でも投資先として価値が高いと評価されるでしょう。また、サービス利用者の企業イメージのアップも期待できます。


グローバル化を推進するため

企業のグローバル化が進めば国際競争力が高まり、生産性の向上と経済問題の解決が図れます。しかし、世界経済フォーラム(WEF)が発表した「世界競争力報告」を見ると、日本は労働人材の多様性を示す「労働ダイバーシティ」と「外国人採用」が極端に低いのが事実です。


これは日本企業がグローバル化に対応できていない表れでしょう。この問題解決にはジェンダーフリーの取り組みで優秀な人材を雇用し、組織改革に着手するのが近道です。

国や自治体・企業の取り組み事例


今後の参考にしてもらうためにも、国や自治体・企業のジェンダーフリーへの取り組み事例を紹介します。職場におけるジェンダーフリーの推進には、社内の意識改革と推進しやすい社内体制の確立が必要です。


今回紹介する事例を参考にして、どのような取り組みに着手すれば良いのかを検証してみましょう。

国や自治体のジェンダーフリー取り組み事例

政府のジェンダーフリーへの取り組み例として、まず挙げられるのが「女性活躍推進法」の成立・施行です。事業主には、女性従業員に対して下記が求められるようになりました。(雇用人数101人以上が対象)


  • 活躍状況の把握
  • 課題分析
  • 数値目標の設定
  • 行動計画の策定・公表


10年間の時限立法ではありますが、女性が個性や能力を発揮しやすい職場変革に大きな効果が期待できます。


また、主な自治体の取り組み事例は下記のとおりです。


自治体名

方法

目的

東京都

・都市間ネットワーク(CHANGE)の設立

男女平等に参画できる世界をつくる

福岡県

・福岡県男女共同参画推進条例の施行

男女の性差をなくす

兵庫県豊岡市

・ジェンダーギャップが解消できるまちづくり

女性人口の増加

広島県広島市

・広島市男女共同参画推進事業者の表彰

ジェンダーフリーな企業の増加



自治体の取り組みには独自性が高いものも見られるので、多くの事例を参考にすると良いでしょう。

企業のジェンダーフリー取り組み事例

ジェンダーフリーに取り組んでいる大手企業の事例は下記のとおりです。


企業名

方法

目的

資生堂

・ポジティブアクション5つの目標の設定

・ジェンダーフリー委員会の設置

女性が幹部昇進できる仕組みと

風土づくり

P&G

・ダイバーシティとインクルージョンの

重要性に関する講演会

・ダイバーシティ経営の

推進を目的とした研修開催

・在宅勤務制度の施行

多種多様な人材確保

ANAホールディングス

インクルージョンとダイバーシティの推進

従業員の意識変革

コーセー

・女性役職者の比率増進

・コーセーイクパパサポート制度の施行

女性と男性が共に活躍できる

環境づくり

ソフトバンク

・仕事のアサイン改善

・女性役職者の比率増進

・管理職と一般職に対するeラーニング実施

社内ジェンダー差別の改善


まとめ

企業力を長期にわたって高めるには、ジェンダーフリーへの取り組みは欠かせないことは理解してもらえたでしょう。その他にも得られる企業メリットを考慮すれば、ジェンダーフリーへの取り組みは検討すべき課題です。


また、ジェンダーフリーの取り組みには、あらゆる人事システムを活用できるタレントパレットの併用をおすすめします。これら2つを上手く利用して、企業力アップに取り組んでみてはいかがでしょう。



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