こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
フィードバックで得られた情報を活用し、行動を改善するプロセスを継続的に繰り返し、最適化していくことをフィードバックループといいます。フィードバックループが好循環に入れば、継続的な成長が期待可能です。
そのため、企業としてもビジネスの場で、フィードバックループの実施を検討しているケースもあるのではないでしょうか。
本記事では、フィードバックループの種類や実施するメリット、ステップについて解説します。
フィードバックループの概要
行動に対する成果や情報を利用し、以後の行動を調整・改善するプロセスを継続的に繰り返すことをフィードバックループといいます。
フィードバックループは、解決すべき課題を「システム」として問題にアプローチしていくシステム思考の1つです。フィードバックループで迅速に結果を出したい場合、できるだけ短期間でデータを収集し分析しなければなりません。
そのため、ビジネスの場では、データ収集・計測・分析に欠かせないデジタルシステムを活用する、「デジタルフィードバックループ」が多く見られます。
なお、ビジネスにおけるフィードバックとは従業員が目標達成するために、行動の軌道修正や動機づけをサポートする手法を指します。フィードバックは対象者の特性を意識した上で、適切に行うことが大切です。フィードバックについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
「フィードバック」については、こちらの記事をご確認ください。
フィードバックループの種類
フィードバックループには2つの種類があります。それぞれについて、みていきましょう。
バランス型
行動の軌道修正を行い、理想のレベルに安定させるものがバランス型のフィードバックループです。
たとえば、次のような場合はバランス型のフィードバックループの代表的な例です。
・生物の体温
・エアコンのサーモスタットが働く
システムでも似たような仕組みが導入され、安定な状態が保たれています。バランス型のフィードバックループを活かしたものとして、温度が一定の基準値を超えた場合に暴走しないよう自動で修正をかける仕組みがあげられます。
成長が原因で結果を打ち消し、好循環や悪循環に陥らない点がバランス型のフィードバックループの特徴です。
自己強化型
自己強化型のフィードバックループとは、1つの結果が出た場合、よりその方向に変化していくことを指します。たとえば、ビジネスの場では、次のような事故強化型のループが発生するケースは多いといえるでしょう。
・「売上上昇→仕入拡大→販売数の増加→売上上昇
・「売上上昇→広告拡大→販売数の増加→さらに売上上昇
どちらも過程は異なるものの、良い結果が出た場合には、より好循環が望める点が自己強化型のループです。
一方で、悪い結果の場合は悪循環につながります。「売上減少→仕入削減→販売数削減→さらに売上減少」といったフィードバックループが生じることも知っておきましょう。
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フィードバックループを実施する3つのメリット
ビジネスの場にフィードバックループを導入する際は、デジタル技術を活用した「デジタルフィードバック」を用いることが多くみられます。デジタル技術を導入すれば、スピード感のあるフィードバックループが可能です。
ここでは、フィードバックループを実施するメリットについてみていきましょう。
経営判断に反映できる
デジタルフィードバックを行う際は、様々なデータの収集から始めます。可能な限り情報を可視化できるようになる点がメリットです。
経営層はデータ分析された精度の高い情報を元に、意思決定を行うことができます。意思決定やそれに基づく行動はループの中に還元され、良い結果につながるといえるでしょう。
また、適切な意思決定であれば、自己強化タイプのループとなり、継続的な向上が期待できます。一方、思ったような成果が出なければ、早い時期に意思決定を見直すことも可能です。
経営判断の方向性が適切か、目標達成につながっているのか、細かく数値をみながら成果を確認し、必要に応じて修正できる点がメリットといえるでしょう。
戦略立案に役立つ
デジタル情報を用いて売上予測や顧客のニーズを一早く適切に分析できるため、マーケティング戦略の立案にも役立ちます。
たとえば、「テーマパーク」や「動物園」など、天気によって客足に多大な影響を受ける業種であれば、天気予報と過去のデータを組み合わせ、その日の売上を予測できるでしょう。
予測結果に基づき当日の準備をできれば、無駄の少ない経営が可能です取得したデータを反映させることで、次回以降のデータ精度の向上が期待できる点がフィードバックループのメリットです。
商品やサービス、広告の成果などの効果を測定し、繰り返しデータに反映させていけるため、より効果的な戦略立案が可能になります。
売上の向上が見込める
経営判断や戦略立案の精度が上がれば、企業利益の最大化が期待できる点もフィードバックループのメリットです。
データに基づいたマーケティングを実施し、その成果を次のデータに反映させ、より成果の高い戦略を練ることができます。仮に戦略に間違いがあった場合は、即座に気が付き修正や改善ができるでしょう。
データの精度を高めながら、各領域にフィードバックし続ければ、売上の向上や自社の継続的な成長につながります。
フィードバックループを実施する3つのステップ
ここでは、実施方法について3ステップで解説します。とくに計測を行う段階では、より多くの情報を集めましょう。
計測
フィードバックループを始めるには、計測が必須です。正確な情報をより多く集めましょう。売上数や売上利益、顧客からの評価など、定量情報はデジタル分析しやすい点がメリットです。
一方で、「お客様の声」「クレーム」などの数値化できない定性的な情報の確認も欠かせません。次の行動サイクルの指針とするために必要な情報を、数多く計測しデータ収集を行いましょう。
比較
データを収集した後は、比較が大切です。
たとえば、売上が当初の想定ほど伸びていない場合は、次のような理由が考えられるでしょう。
・顧客単価が低い
・売上数が少ない
・リピーターが少ない
・新規顧客が少ない
・返品が多い
フィードバックループを作るには、その原因について仮説を立てなければなりません。また、改善する場合には、商品の価格設定を見直す・原価を下げて利益率を上げる・お客様の声を参考に商品開発に活かし、リニューアルするなど、様々な手法が考えられます。
データやお客様の声などを元に有益と思われる手法を選択しましょう。
調整
計測と比較を終えた後は、迅速に調整を行うことが大切です。調整した結果を計測し、以前のデータと比較しましょう。問題点があれば調整し、新たなデータを入手できます。継続することで、フィードバックループが完成します。
フィードバックループの効果を上げるためには、比較・調整をできるだけ迅速に行わなければなりません。調整に時間がかかれば、次の結果が出るまでに時間が長くなる点には注意が必要です。
迅速に調整を行えば、次の結果が出るまでのスパンも短くなるでしょう。早期に新たな結果が出るため、スピーディーな対策立案が可能となります。
まとめ
フィードバックループとは、フィードバックで得られた情報を活用し、改善するプロセスを継続的に繰り返して物事を最適化していくことです。
とくに、自己強化型のフィードバックループができあがれば、好循環が期待できます。企業の業績拡大に最適な手法といえるでしょう。
フィードバックループは計測・比較・調整の3つの手順で実現できます。各期間を可能な限り縮めることで、早めの効果が期待できるでしょう。そのためには、ITシステムやデジタル活用が求められます。迅速にデータ収集や分析を行い、仮説を立て実践すれば、仮説が正しいかどうかをスムーズに確認できます。
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