「面談がほぼ面接だった」と勘違いされるのは合否の有無が原因!実施の注意点や流れも解説


「面談がほぼ面接だった」と勘違いされるのは合否の有無が原因!実施の注意点や流れも解説

面談と面接は似て非なるものです。面談を活用することで優秀な潜在層にアプローチでき、採用のミスマッチを防げます。本記事では面談の注意点や進め方について解説しているため、採用活動を強化したい方はぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「面談で何を話せば良いかわからず、いつも面接のような空気を作ってしまう」「ミスマッチのない人材を獲得したい」とお悩みの方は多いのではないでしょうか


面談と面接は似て非なるものです。求職者に「面談のはずなのにまるで選考を受けているようだった」と感じさせてしまうと、悪印象を与えたり、面接へのやる気を奪ってしまったりと、採用活動においてデメリットが生まれます。混同してしまうと候補者に不信感を抱かれる可能性もあるため、面談と面接の区別は重要です。


そこで本記事では面談と面接の目的の違いや、効果的な面談実施の方法、注意点について解説します。面談を上手に活用できれば、企業側と候補者側の双方がメリットを得られます。


本記事を最後まで読むことで「優秀な潜在層へのアプローチ」や「ミスマッチのない採用」が実現可能です。採用活動の強化を考えている方はぜひ読んでみてください。


面談と面接の違いを解説

面談と面接の違いは、対話を通して「合否を判断するかどうか」です。面談は対話を通した相互理解の場であり、合否は判断しません。一方で、面接は候補者側に質問を投げかけることで、人となりを知り、採用への合否を判断する場です。


面談は相互理解の場

面談は、企業側と候補者側が互いの情報交換を行うことで、相互の理解を深める場です。合否を判断しないため、対等な関係として、双方向の会話で進めていきます。企業側は、自社の魅力をアピールすることで、選考に進むか悩んでいる優秀な人材に働きかけを行えます。また、選考のあいだに面談を挟むことで、お互いの価値観の擦り合わせを実施し、ミスマッチを防ぐことも可能です。


候補者側は、企業に対する疑問を解消し、実際に働く人の声を聞けるため、志望度を測る場として活用できます。事前にさまざまな話を聞いておくことで、入社後のギャップも防げるため、安心して選考に進めます。お互いの理解が目的のため、リラックスのためにも、カフェやオープンスペースなど和やかな場で行われることも多いです。


面接は選考の場

面接は、応募者を知ることで、自社で活躍できる人材かを判断する場です。そのため、企業側が候補者側に質問を投げかけながら一問一答の形式で進めていくことがほとんどです。


企業側は自社で活躍できるか、求めているスキルを持っているか、など採用基準や企業風土に照らし合わせながら、合否を判断します。候補者側は、質問の意図を汲み取り、適切に回答していくことで、自身をアピールします。選考の中で、呼ばれる候補者から企業側への質問時間(逆質問)が用意されることも多いです。


面接中の主導権は企業側にありますが、たとえ合格を出しても、次の選考に進んだり、実際に入社をするかは候補者が判断します。面接官側の発言や態度にも、十分気をつけましょう。面談と面接の違いについて、もっと詳しく知りたい方は「面談面接違い」を合わせてご確認ください。


面談と面接を混同させない2つのメリット

面談を行うことで得られる企業側のメリットは「転職潜在層へのアプローチ」と「ミスマッチ防止」です。本来のフローよりも手間はかかりますが、優秀な人材をミスマッチのリスクを減らしながら獲得できる点が魅力です。


優秀な転職潜在層との接点を作れる

転職活動を行う際、入社したい企業を絞って探す顕在層ばかりでなく、幅広い業界や業種を見ながら「良い企業に出会えたら転職しよう」と考える潜在層も多く存在しています。


転職潜在層に対して、選考応募よりもハードルが低い面談機会を設けることで、マッチングの機会を創出します。自社を検討してない転職顕在層にも有効です。マッチング総量を増やすことで、本来出会えていなかった優秀な人材が面談に応募してくる可能性も高まります。


また、面談の場は個別に自社アピールをできる場でもあります。企業理念や今後の方針、求めている人材を伝えることで、選考に進む意欲を高めるきっかけ作りが可能です。すぐに選考に進まなかったとしても、今後転職活動を本格的に行う際に、面談を思い出し応募を検討してくれる可能性もあります。


ミスマッチを防げる

選考前や選考中に面談を設け、企業を深く知ってもらうことは、選考辞退や早期離職の防止にも効果的です。採用には時間とお金のコストを投下するため、ミスマッチは企業側にとって大きな損失です。候補者側も新たな企業探しが必要となるため、手間が増えてしまいます。


面談では、企業側と候補者側が双方向に質問をしながら会話を進めていくため、相互理解が面接よりも深まります。選考ではない分、幅広い会話ができるため、面接よりも候補者の人物像を詳しく知れるでしょう。いきなり面接に進むよりも、企業も候補者側も「入社してみたらなんだかイメージと違った」とギャップを感じるリスクが下がります。


「面談が実質面接だった」と勘違いされないための5つの注意点

面談と面接の目的を分けているつもりでも、実際に行ってみると候補者に「面談のはずが実質面接だった」と誤解されてしまうことも良くあります。誤解を避けるために注意すべきポイントは、準備の場から始まっています。


面談を行う企業は「面談がほぼ面接だった」と失敗しないために、5つの注意点を事前に確認しておきましょう。


リラックスした雰囲気を作る

相互理解を深めるためには、候補者にリラックスしてもらう必要があります。合否判定はないと事前に伝えていても、候補者側は緊張し「もしかしたら評価されているかも」と身構えてくることがほとんどです。


また、面談開始直後に、いきなり「聞きたいことはありますか」と質問しても、何から聞けば良いのか混乱してしまう可能性もあります。空気作りとしてアイスブレイクを取り入れたり、企業側が主導で会話を進めたりするよう意識しましょう。進め方以外にも、カフェのような少しにぎやかな場所や、私服・オフィスカジュアルなど固くなりすぎない服装を指定することで、緊張をほぐす方法もあります。


選考していると思わせない工夫を行う

面談している社員にその気がなかったとしても、候補者側はささいなことで「選考されているかも」と感じてしまうことがあります。


  • 発言に対して常にメモを取る
  • 志望動機や転職したい理由を聞く
  • 発言に指摘や疑問を投げかける


以上のような行動は、面接と勘違いされやすい行動の一例です。一度「面接かも」と思われてしまうと本音を引き出すことは困難です。自然体な会話や仕草を心がけましょう。


相互コミュニケーションを意識する

面談は、対話を通して相互理解を深める場です。せっかくのアピールの場と意気込んでしまい、一方的に自社のプレゼンばかりを行ってしまうと、候補者にとっての満足度は上がりません。また、候補者に多く話してもらいたいという気持ちから、質問攻めになってしまうこともあるため、注意しましょう。


候補者から質問や不安点などを多く引き出し、それに合わせた自社の良い点を解説していくことで、お互いの理解を深められます。自社アピールの時間では、公式サイトなどで確認できるあたり障りのない情報ではなく、リアルな声を届けられると良いでしょう。


ネクストアクションを設定する

企業側にとって、面談を実施する目的は、選考に進んでもらいたい人員の発掘です。そのため「面談の場を設定したけどあとは候補者に丸投げ」とせず、能動的に面接へ進めるようなきっかけ(ネクストアクション)を作りましょう


自社との相性が良いと感じる人材には、選考の案内や別の社員との面談セッティングを実施します。相性が良くても、入社を前向きに検討していないと感じる相手とは、連絡先を交換しておくだけでも構いません。


「興味があれば案内メールを送ります」「ほかの社員と会う機会はいかがですか」といったちょっとした声かけで、選考に進む人材を増やせます。ただし、参加を強制するのはNGです。案内や促しにとどめ、候補者自身に最終判断をしてもらいましょう。


合否結果を伝えない

面談は採用・選考の場ではありません。そのため、合否の結果を伝えることは避けましょう。たとえ自社との相性が良くないと感じても連絡は不要です。候補者側は、合否判断のない場という認識のもと、対話を行っています。合否判断を送ってしまうと「面談のつもりで行ったのに、いつのまにか選考されていた」と不信感を抱かれてしまいます。


「面談ではなく面接だった」という誤解を防げる進め方5ステップ

面接と誤解を受けずに面談を行うためには、流れが重要です。ステップごとに、話すべき内容や注意点を解説していきます。実際に面談を行う方は参考にしてみてください。


アイスブレイク

候補者側の緊張をほぐし、このあとの会話を進めやすくするようにアイスブレイクから始めます。自己紹介することで、候補者に安心を与えていきましょう。親近感を覚えてもらうためには、面談担当者からも自己開示することが効果的です。部署名や仕事内容だけでなく、出身地や休日の過ごし方など、プライベート部分も開示していくことで話を広げていきます。


自己開示を行えば、自然と候補者側も心を開き、本音で会話してくれます。場が暖まったあとは面談の目的や、選考ではないことを改めて伝えていきましょう。


候補者の状況やニーズをヒアリング

アイスブレイクでお互いの緊張が解けてきたら、いよいよ本格的な面談へと進んでいきます。


  • 面談へ参加してくれた理由
  • 現職の状況
  • 転職の温度感
  • 今後のキャリアへの希望


など、候補者自身について深掘りしていきます。情報をたくさん引き出すことで、このあと話す内容も自然と定まるので、焦らず丁寧に進めましょう。ヒアリングを行う際、志望動機や転職理由を聞くなど、面接で聞くような質問を挟まないよう注意が必要です。


候補者ニーズに沿った自社PR

候補者の状況やニーズを一通り把握したあとは、自社の紹介をしていきます。候補者は自社について詳しく知らない可能性を念頭に置いて、魅力をアピールしてみてください。


話す内容は、候補者が興味を持っている点を中心に選びます。企業風土やキャリアパス、業務内容など候補者のニーズに沿った内容を中心に話を展開していきましょう。具体的な要素や生の声を挟むことで、入社後のイメージを持ってもらえます。


また、一方的な説明になりすぎないようにしましょう。あいだに質問の時間をとったり、話を振ったりと、説明の場でなく対話であることを忘れないよう、注意が必要です。


質疑応答

企業説明を終えたら、質疑応答の時間に入ります。ここで質問されたことは、選考に進む上で候補者が気にしているポイントです。伝えられることはできる限り共有し、真摯に答えるようにしましょう。また、前の話が盛り上がっても良いように、少し長めに時間を確保しておくことをおすすめします。


候補者の性格によっては、聞きたいことがあっても遠慮してしまう方もいます。そんな際は「仕事以外のことも含めて、どんなことでも聞いてくださいね」といった声かけが有効です。社内見学やカフェスペースの移動など、場所を変えることも話をしやすくする工夫の一つです。


ネクストステップの案内

最後は、次回の案内を伝えます。面談は採用のきっかけの場として行っているため、話し終えて解散ではなく、ネクストステップの誘導まで行いましょう。


面談を通してマッチ度が高い人材には、社内イベントや別社員との面接、選考への促しなどを実施してみてください。後日メールで送ると、熱が冷めてしまう可能性もあるため、できる限りその場で伝えると良いでしょう。


まとめ

面談は採用面接よりもハードルが低いため、多くの優秀な人材にアプローチを可能にします。また、事前に相互理解が深まり、内定の辞退率や入社後の離職率といったミスマッチの可能性も軽減します。面接を使い分けることで、より良い採用活動へと変化するでしょう。


さらに、面談時にタレントパレットを活用すると以下のような効率化が可能です。


  • 適性検査による企業風土とのフィット度合いを可視化
  • 候補者と類似したメンバーの抽出
  • 活躍人材のスキルを定量化しアプローチ層を明確化


面談と面接、そしてタレントパレットをかけ合わせることで、効果的な採用活動を実感してみてください。