【完全版】人事面談を行う5つの目的と8つのコツ【進め方を6STEPで解説】


【完全版】人事面談を行う5つの目的と8つのコツ【進め方を6STEPで解説】

本記事では、会社全体の活性化につながる「人事面談」の目的や、適切に行うための手順を詳しく解説しています。面談についてお悩みの人事の方や企業担当者必見の内容です。最後の章ではおすすめの人事評価サービスも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット事業部編集チームです。

人事面談は、人事担当者や上司が社員と一対一で話し合いをおこない、現在の評価を伝えたり意見を求めたりする機会であり、適切に行うことで会社運営に大きなメリットを生み出します


しかし、面談の具体的な目的を意識して実施できている企業は少なく、内容や進め方についてお悩みの方が、多いのではないでしょうか。


目的が共有できていなく、話し手が一方通行になってしまうと面談が有効活用できず、社員のモチベーションも上がりません。そこで本記事では、以下の内容について解説します。


  • 人事面談の目的
  • 面談の効果的な進め方
  • 面談をする際のコツの


最後の章では、人事面談のお悩みに役立つサポート先も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。


人事面談をする5つの目的


企業によって人事面談をする目的はそれぞれあり、得られるメリットも多くあります。目的や種類を改めて理解し、面談の質を高めていきましょう。ここでは、人事面談をする5つの目的を解説します。


モチベーション向上


業務の評価を書面ではなく人事面談で直接伝えることで、社員のモチベーションを向上させる効果がありますます。


上司と部下が信頼関係を築くことで、早期退職防止や気持ちの良い職場環境作りにも良い影響を与えられます。


さらに面談で直接会話をし、不安解消や精神面をサポートすることでもモチベーション維持につながるでしょう。


社員のモチベーション向上について詳しく知りたい方は、別記事「モチベーション向上に有効な施策とは?重要性や低下する原因、測定方法なども解説」をあわせてご確認ください。


人事評価の質を高める


人事評価は、データだけでなく本人から話を聞いて得られた情報も活用することで、精度が高まります。目標に対しての達成度合いを確認し、自己評価も確認することで社員も納得のいく公正な評価ができるでしょう。


上司が把握しきれていない能力を知る機会にもなり、業務に活かすことで企業にもプラスに作用します。


適切な人事評価について詳しく知りたい方は、別記事「人事評価エラーを防ぐための具体的な対策とは?評価者に求められるスキルも紹介」をあわせてご確認ください。


社員育成


人事面談は、社員を育成する目的で実施されます。面談で業務を振り返り、課題発見や目標を設定する時間を設けることで、社員一人ひとりの方向性を整理できます。仕事に対する目標を明確にし、成功体験を積み重ねることで成長のスピードアップも期待できるでしょう。


会社が求めることを一方的に指示するのではなく、現状や悩みに寄り添い社員の能力を引き出すことを意識することが大切です。社員のそれぞれの強みや意見を積極的に取り入れ、育成方針に反映させていきましょう。


社員育成について詳しく知りたい方は、別記事「考課者とはどのような役割がある?考課者研修が注目されている理由を解説」をあわせてご確認ください。


離職防止


人事面談で、社員の悩みや今後のキャリアについて、話を聞くことで離職防止に効果があります。遅刻や報告漏れが多くなり、同じ失敗を繰り返すなどの行動がみられた場合、離職の兆候である可能性が高いので要注意です。

とくに近年では、社員が「給料や福利厚生が見合っていない」と判断すると、早い段階で転職を考える傾向があります。面談を実施し社員の変化に早めに対処できるよう、サポートしていきましょう。離職防止には、普段からコミュニケーションをとり、信頼を深めることが効果的です。

意見の見える化


会社全体の改善点をあぶりだすため、面談で社員の考えを引き出し、データや記録に残すことで見える化します。社員一人ひとりの意見を聞き、整理していくことで今後の施策に活かせるでしょう。


2022年4月から中小企業を対象に法制化した「パワーハラスメント対策」として、意見や相談ができる機会にもなるので、積極的に中間面談を取り入れることをおすすめします。社員の声を可視化し、何かトラブルのあったとき、早急に相談・対応できる体制を整えておくことが重要です。


【進め方】人事面談の流れ6STEP


目的の定まった面談をするには、事前準備やスムーズな進め方がポイントです。ここでは、面談の流れを6つのステップで説明します。実際の面談をイメージしながら、能力評価シートや人事評価データなど、必要なものも合わせてチェックしてみてください。


【事前準備】評価シートと面談場所を用意する


有意義な面談にするには事前準備が大切です。基本的なことですが、面談場所として会議室など、周りの目や会話が漏れないことに配慮し、場所をセッティングします。上司だけでなく、部下にも前もって面談予定と、自己評価を準備しておくよう伝えます。


面談をするときは、口頭だけでやり取りせず、評価シートを用意してチェック項目を分かりやすくまとめて内容を振り返られるようにしておきましょう。


能力評価シートの構成は、厚生労働省公式サイトにある「職業能力評価シート」を参考にするのがおすすめです。能力評価シートの具体的な書き方について詳しく知りたい方は、別記事「能力評価とは?7つの項目例や評価を実行するメリット・導入手法などを解説」で紹介していますので、あわせてご確認ください。


自己評価の確認


社員の自己評価を聞き取りした後は、上司から人事評価を伝えます。感情的にならないように注意し、率直にフィードバックすると良いでしょう。

設定した目標の達成度合い、評価したポイントをしっかりと説明します。目標に対して実績が未達の場合や、社員が期待していた評価よりも低いときは、相手の心情に配慮しながら改善方法を提案してみてください。

評価に納得できない様子でも、今後を期待しフォローする姿勢をみせ、精神的な負担を減らすようにしましょう。

今後の目標や課題を設定


社員の自己評価と人事が提示した評価の両方を考慮し、実現可能な目標を設定しましょう。数字を提示するなど、できるだけ具体的に決めると業務を進めやすく達成率アップにつながります。


目標や課題は上司が設定するのではなく、社員が自発的に考えた解決策を軸に決めることが重要です。答えがまとまらないとしても、急かさずできる限り考える時間を与えましょう。


目標設定の仕方について詳しく知りたい方は、別記事「ストレスにつながる目標設定とは?NG事例や具体的な設定方法を解説」をあわせてご確認ください。


キャリアの希望を聞く


今後、社員が希望するキャリアについて聞き取りを行います。企業によっては、転勤や部署移動などを希望する社員もいるでしょう。得意分野や能力を発揮できる環境に配属することで、離職回避や業務の効率化が図れます。


上司も部下のキャリア形成のイメージを持っておくことが大切です。親身になって社員の相談にのりながら、アドバイスができるので良い方向へ導けます。長く働ける安心感を与え、社員の背中を押してあげましょう。


面談の内容をまとめる


最後に、面談の内容を上司と部下がそれぞれまとめます。面談を終了させる前に「ほかに質問はありますか?」と声をかけましょう。不安な点を残さないよう、気になることは遠慮なく言ってもらえるよう再度促します。


面談内容を人事評価の材料として活かすために、評価シートの活用がおすすめです。次回の面談で設定した目標を振り返るためにも、講評欄を作るなど分析に必要な項目を追加してみてください。


人事面談をする際の8つのコツ


人事面談は、コツを抑えることで上司と部下双方にとって有益な機会になります。人事面談には基本的な進め方以外にも押さえておくべきポイントがあるので、ここで紹介する8つを確認しておきましょう。


傾聴する姿勢を意識する


面談をするときは、最後まで口を挟まず、社員の話に耳を傾けましょう。人事面談は最終的に「話してよかった」と思ってもらうことが大切です。

部下は普段から指導を受けることが多い立場のため、上司との面談に緊張して萎縮している可能性があります。その状態で、面談を進めると話を引き出せないので、優しい視線と適度な相槌で、話しやすい雰囲気づくりを意識してみてください。

客観的な視点で話す


面談をする際は、あくまで会社としての客観的な視点で評価を伝えます。直属の部下など、距離が近いほど上司の個人的な思いをぶつけてしまいがちですが、会社と個人の仲介をし、評価や意見をすり合わせるイメージで進めましょう。


よくない点を伝えるときも「あなたが悪い」などと人間性を否定せず「売上が未達成だった」「成果物が期限までに提出できなかった」などの事実のみを取り上げます。自発的な気づきができるように導き、自身の価値観を押しつけずに冷静にアドバイスしてみてください。


良い点を認め伝える


部下の成長や努力を認め、言葉にして伝えることで部下の気持ちが和らぎ面談が充実します。褒められることがなく、頑張りが認められないと「自分に関心がない」「やる気が起きない」と感じ、社員が伸び悩む原因にもなるでしょう。


部下の気持ちをつかむ意味でも、面談を通して課題設定と振り返りを徹底し、成功体験を持たせて褒めることを繰り返していくことが効果的です。良い所を見つけるために、普段から部下の変化を見守ってみてください。


他の社員と比較しない


面談では、決して他の社員と比べてはいけません。人事評価は企業課題や自身が設定した目標に対して、達成率がどの程度かを比べるものです。面談の場だけでなく、普段から他の人と比べるような発言は避けた方が良いでしょう。


一人ひとり得意不得意や業務の進捗は異なります。「他の社員よりも劣っているから、評価を下げられた」と部下が感じるような言動に注意が必要です。しっかりと個人のペースや頑張りに対して適切な評価ができると、信頼関係も築けるでしょう。


話し手が一方通行にならないようにする


面談では、上司が一方通行に考えを伝えるのではなく、会話することを意識します。評価を伝えることに集中しすぎてしまうと「気づいたら上司が話してばかり…」という状態になり、有益な面談にはなりません。


なかには話すのが苦手な社員がいるかもしれませんが、いかに引き出すかが人事面談の課題といえるでしょう。焦らせないよう考えがまとまるまで待つ姿勢と、気持ちをくみ取る気持ちが大切です。


前もって答えを用意しない


目標を達成する方法や課題の解決策は、社員自身が考えて答えを出す流れを徹底しましょう。上司がこれまで実践してきたノウハウや心構えを引き継ぐのは大切ですが、正解を押しつけ説得するような面談は成長につながりません。


課題への乗り越え方は1人ひとり異なります。面談では「◯◯で悩んでいるならこうしなさい」と答えを用意せず「どうしたら良いと思うか?」と、部下の考えを引き出しましょう。


日頃から自身で考える力をつけることで、自発的に能力を活かしながら会社に貢献できる社員育成ができます。


プライベートの話ばかりしない


人事面談は会社内の業務改善や社員育成が目的なので、プライベートの話は持ち込まないよう注意が必要です。社員によっては、プライベートな話を嫌がることや、好ましくない質問で雰囲気が悪くなってしまうこともあります。


話しやすい雰囲気づくりのために、プライベートの話をクッションとして持ち出す場合もありますが、話題の中心にならないように気をつけましょう。


まとめ


面談は人事評価の質を高めることや、社員1人ひとりのモチベーションアップが期待できるなどメリットが多くあります。有意義な面談にするために、上司が一方的に話をするのではなく、部下が意見を述べ、自発的に答えを出せるように意識していきましょう。


面談に不可欠な人事評価から効率的に実施したい方は、外部システムを導入するのがおすすめです。

タレントパレットは評価入力からフィードバックまでクラウド化し、評価運用作業が楽になります。面談の記録や、振り返りに便利な「評価シート」の作成もできるので、ぜひチェックしてみてください。