タレントパレット導入企業の『人的資本経営』の取り組み実態を調査 〜非上場企業での関心高まる~


タレントパレット導入企業の『人的資本経営』の取り組み実態を調査 〜非上場企業での関心高まる~

タレントマネジメントラボを運営するプラスアルファ・コンサルティングでは最近、人的資本経営に関する調査を実施しました。この調査では、当社のタレントパレットを導入している169社にご協力いただき、人的資本経営に関する実態を探りました。具体的には、各社の人的資本の開示状況や、それに伴う課題、さらには関連施策への取り組み状況などについて、詳しく調べました。

これから見るべき人的資本KPIとは

調査概要

調査対象

タレントパレット導入企業/169社、人事、総務部門、経営企画部門の一般クラス~役員クラス

回答者の属性

【上場区分】上場企業(40.2%)、非上場企業(59.8%)

【企業規模】1,000名以上(40.2%)、1,000名未満(59.8%)

調査方法

弊社アンケートフォーム(WEB)で匿名にて実施 

主な調査結果

1.人的資本開示への取り組み状況

全体の約4割が既に取り組んでおり、「これから取り組む予定」を含めると8割超

非上場企業でも関心が高まっている

2.人的資本経営に取り組む理由

上場、非上場企業ともに「エンゲージメント向上」がトップ

上場企業は「事業・企業価値の向上」「投資家・市場からの要望」が上位

非上場企業は「企業風土醸成」「採用力の強化」「離職率低下」が上位

3.人的資本指標の開示状況

「ダイバーシティ(育児)」「ダイバーシティ(性別・雇用区分)」の開示が進んでいる

その他の指標の開示は進んでいない

独自指標の設定、施策に取り組んでいる企業は少数

4.人的資本経営の開示課題

「活用する指標が定まっていない」「経営戦略と人事戦略が連動していない」といった課題がある


これから見るべき人的資本KPIとは

調査結果の詳細

人的資本開示への取り組み状況

調査の結果、人的資本開示に「取り組んでいる企業」は全体の41.4%でした。「これから取り組む予定」の企業を含めると、84.6%にのぼります。


人的資本開示への取り組み状況

特筆すべきは、非上場企業の動向です。非上場企業のみに着目すると、「既に取り組んでいる」が24.8%、「これから取り組む予定」が52.5%となっており、上場企業だけでなく非上場企業でも関心が高まっていることがわかりました。

人的資本経営に取り組む理由

人的資本経営に取り組む理由については、上場企業と非上場企業で異なる傾向が見られました。

上場企業では、『エンゲージメントの向上』に次いで、『事業・企業価値の向上』、『投資家・市場からの要望』が続き、非上場企業では、『企業風土醸成』、『採用力の強化』、『離職率低下』などが上位となっています。非上場企業では、非上場企業では特に、優秀な人材を惹きつけ、確保することを意識していることがうかがえます。

人的資本指標の開示状況

人的資本指標の開示状況については、以下のような結果となりました。

人的資本指標の開示状況は、『ダイバーシティ(育児)』や40%、『ダイバーシティ(性別・雇用区分)』が30%で最も高く、それ以外の指標は10%前後にとどまっています。また、独自指標の設定や施策に取り組んでいる企業は169社中わずか4社にとどまり、多くの企業が法定開示項目への対応にとどまっていることがわかりました。これらの結果から、多くの企業で人的資本経営の取り組みがまだ道半ばの状況であることがわかります。

人的資本指標の開示課題

人的資本指標の開示に関する主な課題は以下の通りです。人的資本指標の開示課題については『活用する指標が定まっていない(65%)』に次いで、『スタッフが不足している(46%)』、『経営戦略と人事戦略が連動していない(41%)』などとなっており、多くの企業で人的資本経営の取り組みがまだ道半ばの状況となっています。

まとめ

今回の調査結果から、以下のことが明らかになりました。

  1. 人的資本開示の義務化により、上場企業を中心に取り組みが進んでいる
  2. 非上場企業でも関心が高まっており、「人財」に着目し、人材の確保・定着を意識する傾向がある
  3. 多くの企業が開示に向けて動き出しているものの、法定開示項目への対応にとどまっている
  4. 企業独自の指標や施策に取り組んでいる企業は少ない
  5. 「経営戦略と人事戦略の連動」や「独自の指標の検討・施策への展開」が課題となっている


これらの結果から、人的資本経営への取り組みは始まったばかりであり、今後さらなる進展が期待されます。企業は、法定開示項目への対応だけでなく、自社の経営戦略に基づいた独自の指標や施策の開発に取り組むことが重要となるでしょう。

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