こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
ビジネスの場では、協調性が求められるシーンが少なくありません。従業員の採用面接時に、「協調性のある人」かどうかをチェックすることもあるでしょう。
ここでは、ビジネスにおいて求められる協調性と理由、向上させる方法についてわかりやすく解説します。
協調性の意味
協調性とは、自分とは価値観や考え方が異なる相手に対しても、助け合いや譲歩をしつつ、同じ目標を達成するために、ともに行動できる性質のことです。
協調性がある人同士だと、どちらか我慢をすることなく、互いに助け合いながら、すべての人が満足できる結果になるように業務を遂行することができます。
協調性がある人は、自分の意見を持たずに上司や多数派に同調するだけの「イエスマン」ではありません。相手の立場や気持ち、考え方を尊重した上で、必要な場面では自分の考えを押し通す強さも併せ持っているのが特徴です。
ビジネスにおいて求められる協調性
ビジネスにおいて求められる協調性とは、たとえ意見が対立する相手とでも建設的な議論を交わし、全体的な生産性を高められる力のことです。
協調性を発揮するためには、その場に応じて柔軟な対応や相手をサポートする力、人の意見を聞いた上で自分の意見を通すというコミュニケーション能力などが必要です。
多くの場合、ビジネスの最終目標は利益向上です。「協調性」は従業員同士がただ仲良くなるのではなく、利益向上や損失減少など業務上生じた課題を解決するために、積極的に発揮しなければなりません。
そのため、協調性のある行動では、個人の考えや利益を優先するのではなく、企業優先の視点を持つことが求められます。
ビジネスにおいて協調性が求められる理由
なぜ、ビジネスの場で協調性が求められるのでしょうか。ここでは、ビジネスにおいて協調性が求められる理由を見ていきましょう。
人事評価への影響
一般的に企業において、人事評価を行う際の基準となるのは以下の3つです。
- 業績考課:営業成績など結果をもとに評価する
- 能力考課:本人の持つ能力など課程を評価する
- 情意考課:日々の姿勢や取り組み方などを評価する
このうち、情意考課を行う際にチェックされるものの一つが協調性です。どれほど仕事に対する情熱や意欲を持っていても、1人だけでその力を発揮するのは困難でしょう。協調性を持って、社内のメンバーとともに業務に取り組まなければ、成果を上げることはできません。
チームや企業全体の団結意識を向上させるためにも、協調性は不可欠なのです。
リーダーに必要不可欠な要素
協調性は、リーダーにとっても欠かせない要素と言えます。
管理職やチームリーダーなど、部下をまとめる立場の人が協調性を発揮しなければ、チームメンバーをまとめることはできません。
効率的に目標を達成するためにも、協調性のあるコミュニケーションを取り、チームメンバーの考えや性格を読み取りましょう。その上で、各メンバーに適切な役割を与えることが大切です。
ビジネスにおいて協調性を持つ3つのメリット
ビジネスにおいて協調性のある従業員が多いことは、大きなメリットと言えます。ここでは、具体的に3つのメリットを見ていきましょう。
円滑に仕事を進められる
ビジネスの場では、意見や立場が異なる人ともしっかりコミュニケーションを取り、円滑に仕事を進めることが求められます。
協調性に欠ける人ばかりだと、互いの立場や意見を尊重できません。いつまでたっても意見がまとまらなければ、仕事に支障をきたすこともあるでしょう。
協調性のある人が増えれば、自然とコミュニケーションが深まり、目標達成に向けて仕事を進めることができます。
人間関係や風通しが良くなる
協調性のある人が増えると、社内のコミュニケーションが活性化され、さまざまなことをためらいなく話せるようになります。
協調性のない人ばかりだとコミュニケーションを取らなくなるため、互いに顔色だけを見て気持ちを推し量らなければなりません。その結果、「あの人は何を考えているのかわからない」「いつも怖そう」というようにイメージばかりが先行し、空気を読みあう企業風土が生じてしまいます。
直接会話する機会が減ると誤解が生じ、人間関係に問題が発生して仕事がうまく進まなくなることもあるでしょう。
協調性のある人が増えれば人間関係や風通しが良くなり、働きやすい環境になります。
柔軟に対応できる
職場にいる人が、必ずしも同じ環境や文化で育ってきたとは限りません。むしろ、考え方や価値観の違う人と一緒に働かなければならない機会のほうが多いでしょう。
協調性のある人同士だと、異なる環境や文化で育った人に対して、柔軟に対応できます。加えて、協調性のある人は理解力や共感性にも優れているため、企業理念やビジョンを受け入れやすいと言えます。
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協調性がある人、ない人の特徴
協調性がある人とない人にはどのような違いがあるのか、気になる人もいるでしょう。ここでは協調性がある人、ない人の特徴を解説します。
協調性のある人の特徴3選
協調性がある人の主な特徴は、以下の3つです。
- コミュニケーション能力が優れている
- 観察力・洞察力が高い
- サポート力がある
協調性がある人は、高いコミュニケーション能力を持ちます。初対面の相手でも、臆せずに話をすることが可能です。また、相手から話を聞き出し、要点をうまくまとめることにも長けています。笑顔が多く、話しかけられやすい雰囲気があることも特徴です。
相手の感情や考えを察知することが多いため、観察力や洞察力に優れています。他人同士の会話から人間関係を推察する、その場における自分の立場を瞬時に理解して行動するといったことも、スムーズに行えるでしょう。
観察や洞察をした上で、必要に応じて他者をサポートできます。全体の状況に加えて個人の事情を察していることが多く、誰にどのようなサポートをすれば滞りなく業務を進めることができるのか、把握できるためです。
協調性のない人の特徴3選
協調性がない人の主な特徴は、以下3つです。
- マイペース
- 他人に興味がない
- 自分の意見だけを押し通そうとする
協調性がない人は、周りをよく観察することができません。他人のペースに合わせようともしないので、結果的にマイペースとなるケースが多いと言えます。
また、自己中心的で他人に興味がないことも特徴です。自分の話は積極的にしますが、興味のない相手の話には耳を傾けようとはしません。さらに、自分から話しかけない、会話が続かない、相手から話を引き出すのが下手といった特徴もあります。
加えて、周りの人の意見を聞いた後で自分の意見を言うといった配慮がなく、一方的に自分の意見だけを押し通そうとする人もいます。協調性のない人の多くは、周りとの間に摩擦が生じても気にしないでしょう。
協調性を向上させる方法
従業員の協調性を向上させたいと考えている方は多いでしょう。ここでは、協調性を向上させる方法について解説します。
企業理念や目標を浸透させる
ビジネスの場で自分の意見のみを主張する人が多いと、組織がうまく機能しません。各人の目標や目的が大きく異なると、意見の相違も多くなるでしょう。
各人の目標の方向性を合わせると、意見の食い違いは少なくなるでしょう。ビジネスの場では、企業の理念や目標を従業員全員に浸透させると、「同一の目標」を持たせることができます。
企業の理念や目標を実現するための行動が称賛されることを、従業員に浸透させましょう。すると全員が同じ目標に向かって行動するようになるため、協調性の向上につながります。
理念・目標の浸透や協調性の向上には、企業内のコミュニケーションの活性化が不可欠です。自分の意見を主張すると同時に、相手の意見にも耳を傾ける社内風土を作り上げましょう。
チームビルディング研修を行う
チームワークの強化と協調性向上に適しているのが、チームビルディング研修です。
チームビルディング研修では、「ペーパータワー」や「バースデーライン」などのワークショップを行いながら、チームの結束力や協調性の向上を図ります。
ここでは、ペーパータワーについて解説します。
ペーパータワーとは、複数のチームに分かれ、A4の用紙30枚を使って紙のタワーを作り、その高さを競うゲームのことです。用紙を折る・切るなどは自由にできますが、その他の材料を使ってはいけません。
作戦タイムを5分、組み立てタイムを5分とし、作ったタワーの高さを競います。
ペーパータワーは2回行います。1回目の反省を踏まえてメンバーの意見を引き出し、協力し合って高いタワーを作る中で、協調性やチーム力を向上していくワークショップです。
ペーパータワーに必要な道具は多くないため、簡単に実践できます。チームビルディングに適したワークショップは他にもたくさんあるので、必要に応じて試してみましょう。
面接時に協調性を見極める方法
「面接時に協調性の有無を見極めるには、どのような点に注目すればよいのか」と悩んでいる人事担当者の方は多いでしょう。ここでは、面接時に協調性を見極める方法について解説します。
質問の内容
面接の対応だけで協調性の有無を見極めるのは困難です。そのため、協調性やチームワークに関する質問をしてみましょう。例えば、以下のような質問が効果的です。
- チームワークについて普段どのように考え、行動していますか。エピソードがあれば併せて教えてください。
- 協調性について、普段どのようなことを意識していますか。
- 相手と会話をする際に、心がけていることは何ですか。
当たり障りのない返答だった場合、具体的なエピソードなどを求めて掘り下げていくと本当に知りたいことが見えてくるでしょう。
グループ面談
グループ面談を行うと、協調性の有無がわかります。グループ面談では、初対面の相手とどのように会話を交わすか、即座にリーダー役を買って出るか、といった本人の資質を垣間見ることができるでしょう。
加えて、「グループ内の異なる意見に対する態度」「自分の意見をどの程度譲歩できるか」といった点に注目すると、協調性の有無を知ることができます。
適性検査
面接での聞き取りだけでは、面接官の主観が含まれることがあるため注意が必要です。客観的な視点で協調性の有無を知りたい場合は、性格がわかる適正検査を行うとよいでしょう。
性格のわかる適性検査には、いくつか種類があります。主なものは以下のとおりです。
- SPI3:「能力検査」と「性格検査」を行える
- YG性格検査:協調性の他、抑うつ性や攻撃性などが可視化できる
- クレペリン検査:性格、特徴、癖、処理能力などが分かる
所要時間や検査方法などを鑑みて、自社に合ったものを取り入れましょう。
まとめ
ビジネスの場で求められる協調性とは、意見や環境が異なる相手とでも、建設的な議論を交わしつつ、全体的な生産性を高められる力のことです。
協調性がある従業員が増えると、目標に向けて円滑に仕事を進めていくことできるようになります。
面接の際に協調性の有無を推し量るような質問を取り入れたり、適性検査を導入したりすると、協調性のある従業員を雇用することができます。今いる従業員の協調性を高めたい場合は、チームビルディング研修の実施を検討しましょう。
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