縁故採用とは?リファラル採用との違いや成功させるコツを解説


縁故採用とは?リファラル採用との違いや成功させるコツを解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

縁故採用とは、知人や従業員の紹介から企業に必要な人材を採用する手法です。

縁故採用に近い言葉として「コネ入社」があるため、マイナスのイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、採用フローの一部として活用すれば、優秀な人材の確保などプラスに働く可能性もあります。

縁故採用について正しく理解し、自社に合った形で活用を検討しましょう。

縁故採用とは

縁故採用とは、採用活動において知人や従業員などの会社に関係する人からの紹介を経由する採用手法のことです。

「縁故採用」と一口に言っても、多くの人がイメージするような「紹介されて即採用される、コネ入社」もあれば、1次試験の代わりに縁故採用を使っている企業もあります。

リファラル採用との違い

リファラル採用は、縁故採用と同じ意味で使われることが多い採用手法です。

1次面接の代わりなど、採用課程の一部として使用され、その後は通常の採用過程を経てから正式採用が行われるため、必ず採用されるわけではないという点で少し異なります。

リファラル採用については下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方は確認しておきましょう。
「リファラル採用」については、こちらの記事をご確認ください。

関連記事:リファラル採用とは?注目されている理由や成功させるためのポイントを解説

縁故採用が違法といわれる理由は?

民間企業の場合は、違法ではありません。

ただし、国や自治体が採用する公務員において縁故採用が行われた場合、地方公務員法や国家公務員法に違反するため、違法とされています。

縁故採用のメリット

縁故採用には以下で紹介するメリットがあるので、採用活動についての不満を解消できそうであれば使ってみるとよいでしょう。

ミスマッチのリスク軽減

縁故採用の場合、日頃の行動から紹介者の能力や性格を正しく把握しやすいため、通常の採用よりもミスマッチが起きにくい傾向にあります。

採用後のギャップが小さくなり、離職率の低下につながる可能性もあるでしょう。

採用の手間を省ける

縁故採用を使った場合、以下のような手間やコストを削減できるというメリットもあります。

・採用フローの短縮化や面談日程の手続きなどにかかる時間
・求人サイトへの掲載や人材紹介に対する報酬などにかかる費用

さらに、手間を省くことで生まれた時間や予算を使って、別の場所・事業に投資することも可能です。

経歴詐称のリスクが少ない

求人サイトのように応募者が経歴を自己申告する応募方法では、資格以外の自己PRや学生時代に力を入れたことなどの情報の確認が取りにくく、どのような情報が語られても真偽を判断することができません。

一方、縁故採用では、紹介者が応募者についての情報をある程度理解できているため、「嘘が明らかになる」「紹介者が信頼を失う」といったリスクがあるので、経歴を詐称される可能性が少なくなります。

よく話している間柄であれば、日常会話の流れで事前の聞き取りもしやすくなるでしょう。

入社後のフォロー体制が構築しやすい

縁故採用で正式採用となった場合、相談できる相手が少なくとも1人は確保されている状態になります。

紹介者を通じて、他の従業員との交友関係も広げていけるので、入社後もフォローしやすい環境を用意できるでしょう。

関連記事:フォローアップとは?期待できる効果や具体的な方法を詳しく解説

縁故採用のデメリット

縁故採用には大きなメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

ネガティブなイメージがある

縁故採用には「コネ採用」などのネガティブなイメージがつくこともあります。

飛び抜けた才能や適性があれば採用した理由もわかりやすいですが、見えにくい部分での適性で採用された場合であれば、従業員同士での不和につながりかねません。

採用された人物が社内の輪に馴染めるような体制づくりをしておくとよいでしょう。

不採用にしにくい

縁故採用は従業員からの紹介であり、紹介先の役職や部署とのパワーバランスなどによってはミスマッチだと思っていても採用してしまうといった事態を招きかねません。

あらかじめ採用基準を設けておき、あくまでも能力で判断するような採用体制にしておくと、そのようなケースを避けられるでしょう。

採用計画が立てづらい

縁故採用は決まった時期になされるものではなく、うまくタイミングが重なったときに中途入社となることもあります。

新社会人のように「4月に入社→◯カ月研修→△カ月後には現場」といった既存の計画は立てにくく、社内での受け入れ体制が構築しにくいかもしれません。

社内でうまくコミュニケーションを図り、スムーズな育成計画を立てられるように準備しておきましょう。

関連記事:人材育成を効率化する5つのフレームワーク|メリット・デメリット、活用のコツ・注意点

人材のバリエーションが生まれにくい

縁故採用では、紹介者に似ている、または紹介者との相性がいい人材を選ぶ傾向もみられ、人材にバリエーションが生まれにくくなるという懸念があります。

元々いる従業員がバリエーション豊かであれば問題ないといえますが、「社内に似通った人財ばかりなので、新しい空気を吹き込んでほしい」といった理由で縁故採用を考えているのであれば不向きでしょう。

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縁故採用が向いている企業・職種の特徴 


縁故採用には、向いている企業や職種があります。以下で紹介する特徴があれば、縁故採用を検討してみましょう。

応募が集まらない

求職サイトや人材会社の紹介制度などを活用しているけれど、求める人数が集まっていない場合には縁故採用を検討してみましょう。

縁故採用では「採用に関する発信がリーチしていなかった」や「〇〇さんが紹介するなら面談だけでも行ってみようかな」という層からの応募が期待できます。

従業員の離職が目立つ

従業員の離職が多く見られる場合、今の採用方法自体が向いていない可能性があります。

縁故採用であれば、紹介者が性格や得意なことを普段の姿から理解できており、自社に向いている人材を企業や職種にアテンドしやすく、従業員の定着が期待できるでしょう。

紹介者から生の声を聞いた上での就職になるため、ミスマッチの低減も考えられます。

縁故採用の成功事例 

縁故採用を成功に導くためには、過去の成功事例を参考に施策を講じる必要があります。各企業の事例を分析し、どの施策が自社に向いていそうか判断しましょう。

気軽にオフィスに誘える制度を作る

某IT会社では、「お弁当制度」という、お昼ご飯をオフィス空間で一緒に食べられる仕組みを導入し、従業員が友達をオフィスに気軽に招待できるようにしました。

友達同士だけでなく、他の従業員との会話も自然と生まれることに加え、オフィスの空気感を直に感じ取ってもらうことができ、縁故採用による従業員の採用を成功に導いています。

従業員が会社を理解するミーティングを開催

某通信会社では、Slackでの活動報告や全体ミーティングでの定期配信を行い、現在何をしているのかを従業員に周知しました。

オープンなミートアップとクローズドのミートアップや従業員をチーム分けしての紹介者ポイント制度などの仕組みも作成し「従業員の86%が縁故採用」という事例を作っています。

従業員全員の仕事に人事業務を含んだ

某ヘルステック企業では、従業員の仕事に元々、人事業務が含まれています。

従業員一人ひとりがnote(文章やイラストを投稿できるWebサイト)で情報発信するなど、採用手法に決まりを設けず、採用に関する個人の裁量を大きくしたことで、従業員の約70%を縁故採用しています。

スキルよりも社風に合うかを重視

某IT企業では、スキルよりも社風に合うかを重視して縁故採用を行いました。

・働く従業員は企業の雰囲気を直に感じているため、知人が社風に合っているか判断しやすい
・金銭的なインセンティブよりも表彰や成果の共有などの方が従業員のモチベーションが上がる

上記の2点に気づき、その方面の評価に重きを置いたところ、制度開始1年で200人以上の紹介があったという成果を上げています。

縁故採用を成功させる5つのコツ


ただ縁故採用を導入するだけでは、実力の伴わないコネ入社になりかねません。

従業員が縁故採用をしたことをプラスに考えられるルールや不正が行われにくいシステムを作る必要があります。

1:採用に一定のルールを定める

「重役の知り合いだから」などの理由で採用してしまうと、社内での不公平さを感じさせてしまいます。

「縁故採用は1次試験まで自動で通過とし、2次試験以降では正式採用フローを踏む」「自己研鑽できる人材を採用」「◯◯な点があれば不採用」など、一定のルールを定めておくことで、不平不満が生まれにくい縁故採用を行えるでしょう。

2:紹介した側と紹介された側の関係性を確認する

縁故採用においては、紹介した側とされた側の関係性が良い面で働く可能性がある一方、男女関係からの「セクハラ」や上下関係による「パワハラ」などの悪い方向につながる事態も起こりえます。

どのような間柄かを両者に確認しておき、企業の成長の助けになる関係であると判断できた紹介を受けるようにしましょう。

3:縁故採用を行う理由を社内で共有しておく

縁故採用を行う理由を、採用に関係する人物だけでなく、社内全体に共有しておきましょう。

理由が隠されていると、「重役と仲が良いという理由だけで採用されたのではないか」などと憶測が飛び交ってしまいかねません。

必要のない噂が流れることもあるので、採用のフローや基準を共有し、不透明性が生まれないように心掛けましょう。

4:紹介しやすい空気をつくる

紹介制度を作ると、「会社にマッチしそうな人材がいるけれど、私が紹介してもいいのか」などのためらいが生まれることも想定されます。

「紹介後即面接」ではなく、社内見学会や会社説明会を開催するなど、紹介する側が気軽に誘いやすい仕組みや空気をつくっておきましょう。

試験に落ちた場合には、紹介者と紹介された方が険悪にならないようなフォローも行う必要があります。

5:他の採用手法を同時に実施する

縁故採用ばかりを実施していると、全体的な従業員数が満たない可能性があります。

従業員数が集まらなければ本来の目的が達成できないため、他の採用手法とも同時並行し、それぞれの特徴を活かしながら縁故採用を活用しましょう。

まとめ

本記事では、縁故採用のメリット・デメリット、成功事例などをご紹介しました。

縁故採用と一口に言っても、マイナスイメージを持たれかねない、関係性のみで採用がなされる「コネ入社」から、採用フローの一部として使われているものもあります。

縁故採用が向いている企業にとっては、従業員の定着率アップやコストの削減にもつながるので検討してみるとよいでしょう。

タレントパレットでは、採用業務に必要な情報の一元管理が可能です。

また、ミスマッチや内定辞退の防止、WEB面談、応募者とのメッセージ機能など、採用に関わる機能が揃っています。

「従業員の離職率が高い」などのお悩みを抱えているのであれば、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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