カジュアル面談の特徴について | 具体的な手順や導入のメリットを解説


カジュアル面談の特徴について | 具体的な手順や導入のメリットを解説

近年は採用において気軽に行える面談方法として、「カジュアル面談」に注目が集まっています。カジュアル面談は応募者との距離を縮めつつ、お互いの情報を交換できる有意義な時間となり得るでしょう。本記事ではカジュアル面談の基本と、具体的な手順、実施におけるメリットなどを解説します。

カジュアル面談の詳細

カジュアル面談の基本を理解し、その特徴を把握することが実施における第一歩となります。

カジュアル面談とは面接の前に実施される面談

カジュアル面談とは、会社への合否を決める面接の前に実施される面談のことを指します。言葉の通りカジュアル・気楽に実施される交流の場であり、堅苦しい雰囲気を避けるのが基本です。

面接のように志望動機などを聞き出すのではなく、あくまで普通の会話をメインに面談を進めます。今後採用をする側はもちろん、採用される側もリラックスして話ができるように柔らかい物腰で臨むのがカジュアル面談の特徴です。

カジュアル面談ならではの特徴

カジュアル面談には、その手法ならではの特徴があります。

企業と応募者の意見交換の場となる

カジュアル面談は応募者が企業にアピールするばかりではなく、企業が応募者にアピールできる場になる点が特徴です。意見交換などを通して相互理解を深めることで、より深い関係を構築してから面接に進めます。

自社の魅力や他社にはない特徴を詳しく知ってもらう機会になるため、業務における詳しい情報を提供できます。応募者の興味を引く話題を提示できれば、面接への参加意欲を高められるでしょう。

自由な服装で参加する

カジュアル面談では基本的に、スーツではなく気軽な私服で行われます。応募者に気を使わせないように、採用側もなるべくラフな格好で臨むのがポイントです。

しかし、あくまで一般的なカジュアルさが求められるため、サンダルや半ズボンなどの着用は避けましょう。

カジュアル面談を実施する目的

カジュアル面談を実施する前に、その目的を明確にしておくのが重要です。

入社後のミスマッチを未然に防ぐ

カジュアル面談は、入社後のミスマッチによる早期退職を防ぐために実施されるのが一般的です。事前に事業の方向性や会社の雰囲気を知ってもらえるため、「こんな企業とは知らなかった」というミスマッチを回避できます。

仮に条件がマッチしなかった場合、企業は採用にかける時間・コストを抑えられます。応募者も次の会社を探すことに時間を割けるため、双方に利点がある方法といえます。

複数の優秀な人材へアプローチする

カジュアル面談を実施することで、企業は複数の人材へアプローチができます。「まずは気軽に話をしてみませんか」と持ちかけ、応募者と出会う機会を作るのも目的になります。

機会があれば、まだ転職を決意していない優秀な人材と接触し、自社のアピールができる場合もあります。人材プールの形成や採用ブランディングにもつながるため、採用方法の幅が広げられるでしょう。

カジュアル面談によって得られるメリット

カジュアル面談を行うことによって、企業および人事担当者は多くのメリットを得られます。

カジュアル面談のメリット①応募者の経験やスキルを事前に把握できる

カジュアル面談によって、応募者の経験や得意なスキルなどを事前に聞き出せます。面接のように限られた時間では、把握しきれない可能性のある情報を事前に確認できるのはメリットになるでしょう。

砕けた雰囲気で話を進められるため、応募者の意外な特技や経歴を知れるケースもあります。

カジュアル面談のメリット②応募者の人となりを確認できる

カジュアル面談は、その人の「本来の姿」を知るきっかけになる点もメリットです。面接では基本的に応募者の「着飾られた姿」をみることになるため、本来の性格や人となりを把握するのは難しくなります。

能力や経歴以前に、「この人と仕事がしたいと思えるか」という点を判断できるのがカジュアル面談を実施するメリットです。

カジュアル面談のメリット③応募者に自社で働くことをイメージさせられる

カジュアル面談はただ会話をするだけでなく、オフィスの見学や職場体験なども実施できます。応募者に自社で働くイメージを持つきっかけを作り、入社の意欲を高められるのもメリットです。

「どんな会社で働くことになるのか」という応募者の不安を取り除けるため、面接への参加率を高めることにも期待できます。

カジュアル面談の具体的な進め方

カジュアル面談を進める手順は、具体的に以下の形になります。

自己紹介からはじめる

カジュアル面談でも、基本的な礼儀は守らなければなりません。こちらから自己紹介をし、会社で所属している部署やポジション、担当業務などを伝えることからはじめましょう。

できれば緊張をほぐせるような話題を最初に出し、アイスブレイクを狙うのもポイントです。

合否に影響しないことを明確にする

カジュアル面談も合否に影響すると勘違いしているケースは、決して珍しくありません。採用における誤解をなくすために、最初に合否とは関係ないことを明確に説明する必要があります。

あくまでコミュニケーションの一環であることを伝えてからカジュアル面談をはじめましょう。

応募者に対して質問をする

カジュアル面談では、最初に企業側から質問をし、場の雰囲気をリードするのが基本です。カジュアル面談に参加してくれた理由、自社に持っているイメージ、転職をどの程度本気で考えているのか、どのような仕事をしたいのかなど、その人の価値観を把握できる質問をしてみましょう。

堅苦しい雰囲気にならないように、雑談のなかに質問を盛り込むのがポイントです。

応募者からの質問に答える

こちらから質問するばかりではなく、応募者からの質問も積極的に促すのがカジュアル面談の特徴です。「面接では聞けないようなことを質問してほしい」と伝え、質問のハードルを下げるのがコツになります。

応募者の質問にスムーズに答えられないと不安を煽る可能性があるため、事前に予想される質問と解答内容をある程度用意しておくのがおすすめです。

次のステップについて話をする

カジュアル面談が終わったら、次の面接についての話もします。関係性が深まっている状態で次のステップについて話すことで、応募者は今後の展開に興味を持ちやすくなります。

実際にいつ・どこで面接を行うのかを確認し、「また会えることを楽しみにしている」といった前向きな言葉をかけるのがコツです。採用する側が前向きになっていることが分かれば、応募者側も自然と次のステップについて考えてくれるようになるでしょう。

カジュアル面談を実施する際のポイント・注意点

カジュアル面談を実施する場合、事前に成功のポイントと注意点を把握しておくのも重要です。

カジュアル面談を「面接」にしない

企業と応募者という関係上、カジュアル面談が自然と面接の形になってしまうケースは多いです。カジュアル面談が途中から面接化すると、そこでしか引き出せない応募者の魅力を見逃す可能性があります。

特に応募者に質問攻めをしないように、あくまで自然な会話になるように注意しましょう。

応募者にマッチする人材をカジュアル面談に参加させる

応募者の希望する配属先や仕事内容が明確になっている場合には、その内情に詳しい人材をカジュアル面談に派遣します。応募者が知りたい情報をスムーズに提供できるため、自社への興味関心を高められます。

場合によっては人事担当者と関係業務の担当者の2人でカジュアル面談に参加し、多くの情報を応募者に提供できるように備えるのもポイントです。その際には2対1の形になるため、応募者を緊張させないようによりカジュアルな雰囲気を演出するのが重要視されます。

まとめ

応募者を採用する前段階で多くの情報を獲得できるカジュアル面談は、人事担当者にとって有意義な時間となります。同時に応募者にも多くのメリットを提供できるため、積極的にカジュアル面談を導入して相互コミュニケーションを深めることを検討してみてはいかがでしょうか。