円満退社は会社にもメリット!上司の取るべき対応や退職日までの流れも解説


円満退社は会社にもメリット!上司の取るべき対応や退職日までの流れも解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

会社として、従業員が退職する場合は、本人と会社が合意したうえで円満に退社することが最も望ましいでしょう。では、どのような形式を円満退社と呼ぶのでしょうか。

この記事では、円満退社といえる基準やメリット、合意退職に至るまでの手順と注意点などについてもみていきましょう。

円満退社といえる基準は?

円満退社とは、条件として従業員と企業の双方が納得する形で、退職手続きが行われることを意味します。ここでは、円満退社といえる基準や条件などを確認していきましょう。とくに解雇との考え方の違いには注意が必要です。

企業と本人が退職に合意している

円満退社を実現するためには、企業と従業員本人が退職に合意していなければなりません。会社が従業員を一方的に解雇したり、半ば強引に会社を辞めさせたりすることは、円満退社ではないといえるでしょう。

会社と従業員が十分な話し合いを重ね、従業員に退職の条件を受け入れてもらう必要があります。例えば、退職金や従業員のその後の活動なども含めて条件を出すケースも少なくありません。

上司や同僚との関係が良好

円満退社の実現には、良好な人間関係が必要です。従業員と従業員を監督・指導する上司との人間関係が良好であれば、在籍中のトラブルも少なくなります。退職勧奨をする際でも問題が起きにくいでしょう。

同僚との良好な人間関係も円満退社の実現を後押しします。同僚は、退職する従業員の良き理解者になれる可能性が高く、さまざまなサポートをしてくれるでしょう。また、退職時の引き継ぎもスムーズに行われやすい点もメリットになります。

自然退職との違い

自然退職は労働契約の解除によって、従業員が退職することです。代表的な例としては、休職期間の満了後も現場に復帰することなく、退社扱いになるケースなどが該当します。

どのような退職理由が自然退職として扱われるかは、就業規則で定められているケースが殆どです。仮に詳細がわからない場合は、就業規則への明記なども必要といえます。

関連記事:レイオフとは再雇用前提の一時解雇!企業のメリットと日本の解雇事情を解説

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円満退社のメリット


ここからは、企業側が円満退社を実現することで得られるメリットをみていきましょう。引継ぎや周りの従業員への影響もマイナスにならない点が特徴だといえます。

通常業務に影響が少ない

退職手続きがスムーズなため、手続き完了までの時間が必要最低限で済むことです。退職の条件面で折り合いがつかない、退職する従業員が納得できないといった問題を抱えることもありません。

双方がスムーズに合意したうえで退職に至る円満退社なら、通常業務への支障も少ないでしょう。

職場のモチベーションキープがしやすい

円満退社は、職場のモチベーションを大きく左右するものです。職場環境の変化は、周囲への刺激にもなりますが、仮に人間関係に不和を抱えたまま退職した場合、現場に悪影響を及ぼしかねません。

上司や同僚と良い関係を築いたうえでの円満退社であれば、引き継ぎなどもスムーズに進みやすくなります。業務に対して負荷が高くなるといった心配もありません。現場の良い雰囲気をキープできることは、円満退社のメリットでしょう。

関連記事:モチベーション向上に有効な施策とは?重要性や低下する原因、測定方法なども解説

会社の評判になる

「退職を快く受け入れてもらえた」「転職活動への悪影響はなかった」といった良い評価は、会社にとって大きなメリットになります。優秀な人材が獲得しやすくなるため、業務上の取引にも良い影響があるでしょう。

退職・転職に関するトラブルが起こりやすい時期こそ、中長期的な視野で人材管理に注力することが大切です。

解雇予告手当が不要

合意退職は、会社と従業員の双方が同意によって成り立つものです。そのため、合意退職では、解雇予告や解雇予告手当などが必要ありません。

退職勧奨を勧めた場合でも、最終的に従業員が退職勧奨に同意したのであれば、解雇には当たらないため、解雇予告(手当)は不要です。退職手続きの際、余計なコストやリスクを避けられることは、企業にとってメリットになるでしょう。

円満退社(合意退職)の流れ

様々な理由によって、退職してもらいたい社員がいる場合、円満退社(合意退職)を実現するためには、どのような流れになるのでしょうか。ここでは、円満退社の流れについて解説します。

指導・教育の実施

円満退社を実現するためには、問題点改善のために指導・教育を行いましょう。

問題点改善のために指導・教育を実施したうえで、就労態度や業務能力に関して変化が見られたかどうかについて記録しておきます。この記録は、退職後のトラブルに備えるうえでも重要なポイントとなるものです。

配転の実施・退職勧奨の実施

就労態度や業務能力に改善が見られない場合は、配置転換を検討しましょう。配置転換を行っても、改善が見られない場合、降格・降給といった処分および退職勧奨を検討することが大切です。

退職勧奨は、必ず2名以上の面接形式で行います。こうした形をとりつつ、「退職を強いられた」と感じさせないよう配慮しておくことが重要です。

合意退職の書面を作成

従業員が退職勧奨に合意した場合は、合意書を作成しましょう。合意書は、退職後に万が一「不当解雇だった」と訴えられた場合、合意退職であったことを証明するものになります。

合意書を作成することで、退職後のトラブルに備えておくことが可能です。

円満退社にするための注意点


円満退社を実現するには、退職者の気持ちが最も大切なポイントです。ここでは、円満退社にするための注意点についてみていきましょう。

十分な話し合いをする

多くの場合は、退職勧奨を勧められた従業員は、ショックを受けたり、一時的な動揺を見せたりする可能性があります。最初から「退職ありき」で話を進めず、十分な話し合いのなかで円満退社を実現できるようにしましょう。

また、退職後の不安を取り除くことも、円満退社を実現するためのポイントです。早く失業保険を受けるために会社都合による退職で処理することや再就職期間を設けるため退職日を延長することも検討してみましょう。

強要されたと感じられないようにする

退職勧奨に関する話し合いをする際、「退職を強要された」と感じさせないためには、細かな配慮が必要です。例えば、従業員が自分の考えていること、訴えたいことを言いやすい雰囲気を作っておけば、相互理解や合意に至りやすくなるでしょう。

また、退職勧奨はあくまで「勧奨」のため、従業員の拒否も可能です。扶養家族を抱えていたり、持病から再就職が困難な場合は、退職勧奨を受け入れてもらえない可能性も視野にいれましょう。

仮に、退職勧奨を受け入れない場合でも、労働者にとって不利益の多い懲戒解雇や配置転換、異動などの行為は違法と判断される可能性が高いといえます。

加えて、複数回・長時間にわたる執拗な退職勧奨会社外のプライベートな時間・場所での退職勧奨なども違法性の高い行為です。

退職勧奨に応じる場合はすぐに合意書を作成

退職勧奨を従業員が受け入れた場合は、その場で合意書を作成しましょう。転職日まで日にちがある場合でも、合意書の作成を遅らせてしまった場合、従業員の気持ちに変化が生じてしまう可能性もあります。

加えて、退職届は、従業員の意思表示にはならないため、退職に関する合意を証明するものにはなりません。退職に関する合意書が効力を発揮するためには、労働者と使用者側双方の名義で作成し、どちらにも直筆のサインが必要です。

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まとめ

円満退社を実現するためには、本人の意思を確認する話し合いと退職合意書の作成がポイントになります。退職勧奨を行う際も強要されたと感じさせたり、強引な手段を使ったりしないために徹底したルールを作っておきましょう。

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