従業員の欠勤理由は?欠勤時の給与計算や無断欠勤への対処法を解説


従業員の欠勤理由は?欠勤時の給与計算や無断欠勤への対処法を解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

人事に携わる方の中には、従業員の欠勤管理でお悩みの方もいるでしょう。従業員ごとに欠勤理由はさまざまで、従業員数が多くなるほど管理が複雑になるものです。

本記事では、主な欠勤の理由やほかの休暇・休日との違いなどについて解説しています。欠勤理由について正確に理解し、会社内で不平不満が生まれない仕組みづくりを行いましょう。

欠勤の主な理由4選



欠勤の理由は従業員によって異なるため、多種多様です。代表的な4つの欠勤理由をご紹介しているので、それぞれの特徴などを簡単に把握しておきましょう。

体調不良

体調不良は、多く見られる欠勤理由です。

体調不良には、二日酔いなどの自己管理不足からくるものもあれば、風邪・熱・季節性のインフルエンザなどによる身体的な不調、女性であれば生理を体調不良として申告するケースも見られます。

自己管理不足の体調不良が欠勤扱いとなるのは当然の結果と言えますが、インフルエンザなどの流行が予測されるものでの体調不良を単なる欠勤と見なしてしまうと、無理をして出勤することも予想され、会社内に感染を広げて被害を拡大させてしまいかねません。

また、生理を体調不良として申告するケースでは、「生理休暇があることを認知されていない」「チームに男性が多いなど、申請しにくい空気がある」といった理由もあります。

けがや病気

突然のけがや病気での欠勤を休暇として扱うことは、法的に義務付けられていません。

ただし、会社独自の傷病休暇が設定されている場合や、勤務中の事故などによるけがや病気が原因の場合は、欠勤として扱われない場合もあります。

就業中に負ったけがで従業員が仕事できなくなったときは、業務災害として認定する必要があるため、休業補償と治療にかかる費用を会社側が負担しなくてはいけません。

事故

事故の程度の大きさによっては、本人と連絡が取れず、無断欠勤になってしまうことがあります。

「本人が意識を失っている」「連絡手段がない(スマートフォンの破損・水没)」などの場合が考えられるため、簡単に「ただの欠勤」としては扱えません。

さらに、通勤経路が決められている会社においては、通勤や退勤の途中で起こった事故を労災と認めなければいけないケースもあります。

社内でのハラスメント

ハラスメントが原因の欠勤では、欠勤理由を申請する相手がハラスメントを行っている本人というパターンもあり、本当の理由が告げられないまま「無断欠勤」とされてしまう可能性があります。

従業員がパワハラやセクハラといったハラスメント被害に遭っている場合、ただの欠勤ではなく「致し方ない欠勤」と判断されるでしょう。

ただし会社側が調査した結果、ハラスメントとして認められなかった場合は、出社命令を下せます。

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欠勤と休暇・休日の違い

欠勤とほかの休みの違いを把握し、誤った認識が原因で会社と従業員の間に不和が生まれないようにしましょう。
「欠勤」については、こちらの記事をご確認ください。

無断欠勤との違い

無断欠勤とは、連絡を入れずに会社を休むことです。欠勤との違いは「連絡をしているかどうか」という点になります。

重大な懲罰対象としている会社もありますが、「欠勤理由を上司に申告していたが却下された」や「事故などにより連絡手段が何もなかった」といった場合は無断欠勤にはならず、通常の欠勤として扱われるケースが多いでしょう。

有休との違い

有休とは、年次有給休暇の略で、取得しても給料が支給される休暇を指します。業種、業態を問わず、正社員やパートタイマーも一律、年次有給休暇を与えなければならないと労働基準法に定められています。欠勤との大きな違いは、賃金が支払われる点です。

パートタイム労働者であっても一定の要件を満たせば有休を取得する権利が付与され、事業の運営を妨げる場合を除いて、従業員が希望する日付を「有休」として指定でき、会社は要求を認めなければいけません。

法定休日との違い

法定休日は、会社が指定する休日のことです。土日祝日や夏季休暇、年末年始休暇などがこれに含まれます。

法定休日は、労働基準法で「週に1回定めなくていけないもの」と定められており、与えなかった場合は、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられることもあります。

休職との違い

休職とはけがや病気といった自身の体調が優れずに業務ができないと判断された場合に、会社が従業員に対して期間を区切って勤務を停止させることです。

会社が休職命令を出す場合と従業員が休職を申し出る場合があります。

休職中の給与の支払義務はなく、法律でのルールも決まっていないため休職期間などは各企業が個別に就業規則などに定めなくてはなりません。

欠勤との違いには「正当な理由がある」「会社に許可を得て休んでいる」という2つの点があります。
「休職」については、こちらの記事をご確認ください。

休業との違い

休業とは、従業員と会社が雇用契約を結んだまま労働を行わないことです。欠勤との違いは「法律で定められているか」という点で、自己都合と会社都合の2つに分けられます。

自己都合の休業には、労働基準法や育児・介護休業法で定められた産前産後休業、育児休業、介護休業などがあります。

自然災害や材料の高騰などによって、会社都合で休みを決めた場合は会社都合の休業となり、労働基準法で定められた休業補償として平均賃金の60%を支払う必要が生じます。
「休業手当」については、こちらの記事をご確認ください。

欠勤した場合の給与計算



欠勤による給与の計算には、基本的に「ノーワーク・ノーペイの法則(働いていない分は支払わないとする法則)」「欠勤控除」という考え方が適用されます。

時給や日給の制度なら関係ありませんが、月給制の場合は、上記の考え方に基づいて定められた給与から欠勤分を差し引いた額が支払われます。

欠勤控除の考え方

欠勤控除とは、従業員が欠勤した場合に、欠勤した分の金額を計算して給与から差し引くことを指します。

「月平均所定労働日数を用いる」と「該当月の所定労働日数を用いる」という2つの方法があり、日数に多少の違いはありますが、どちらであっても「月給を所定労働日数で割り、欠勤日数をかける」計算方法です。

例えば、月給が30万円で所定労働日数が30日、欠勤日数が3日であった場合、欠勤控除は3万円となります。
「欠勤控除」については、こちらの記事をご確認ください。

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無断欠勤が多い従業員への対処法

無断欠勤が多いと、業務が回らない上にほかの従業員にも大きな影響を及ぼすなど会社にとって重大な問題が起こる可能性もあります。以下のような対処を段階的に実施しましょう。

ヒアリング

欠勤の原因を探るために、電話するか直接会うかして本人に聞くことが重要です。

いきなり本題に入るのではなく、体調などを気遣うアイスブレイクを挟みながら、最終的には何が原因で無断欠勤しているのかをヒアリングし、双方で話し合いを重ねて解決の道を探っていきます。

この際、ヒアリングをした日付や話し合った内容を記録しておくと、のちに話がこじれて第三者が介入する際に「会社側が無断欠勤を黙認していない」という証明になるため、忘れないようにしてください。

軽度な処分を課す

ヒアリングをした結果、会社側に問題がなかった場合は、従業員に対して出社命令を出すことになるでしょう。

従業員が出社を再開すれば問題解決になりますが、出社命令に従わない場合は、厳重注意や反省文・始末書の提出など徐々に重さを上げていくような処分を命じましょう。

この際、即解雇など過度な処分は法律違反にあたる可能性もあるため、細心の注意が必要です。

ヒアリング時と同じように、注意・指導を行った上で段階を踏んで処分を科した記録を残しておくとよいでしょう。

退職・休職の勧奨や解雇

軽度な処分をしても改善が見られない場合、一般的には次の2つの対策が講じられます。特殊な事情のない無断欠勤であれば、最終的には「退職の勧奨や解雇」として処分が可能です。

ただし、安易に解雇すると法律違反になる危険性があり従業員側が訴訟を起こすなども考えられます。「慎重に対話を進めた結果の処分である」と証拠を提示できるように記録するなど、入念な準備をしておきましょう。

協議を重ねた結果、会社側や従業員側のどちらかまたは双方に正当な理由があり、ある程度時間を置いた方がよいと判断した場合は、会社側から休職を勧めます。

無断欠勤が続いた場合の対応については、就業規則に定めておきましょう。会社と従業員が同様の認識を持てるため、重要なポイントになります。

まとめ

欠勤する理由は従業員ごとに異なり、その理由に合わせて適切に対処することが重要です。

しかし、個別の欠勤理由を細かく把握するのが難しいと感じている方も多いでしょう。そのような場合は、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムを導入することで、会社のルールに基づいた方法で勤怠を管理でき、社内全体の勤怠の見える化にもつながるでしょう。

タレントパレットでは、ヘルスケアの管理も同時に行えます。従業員の体や心の不調などに素早く気づきやすくすることで、無断欠勤を含む欠勤の芽を発見しやすくなるでしょう。

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