【役職・職種別】360度評価のコメント例文6パターン!注意点や基準についても解説


【役職・職種別】360度評価のコメント例文6パターン!注意点や基準についても解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「360度評価に興味がある」「実際に使っているけど使いこなせていない」とお悩みの方が、いらっしゃるのではないでしょうか。


360度評価は得られるメリットが大きい一方で、普段フィードバックを実施していない人からすると、方法がわからずに時間ばかりが取られてしまうデメリットが存在します。最大の効果を得るためには、コメントする側も注意が必要です。


本記事では、360度評価を行う際のポイントや評価軸の設定方法を解説します。役職・職種別のコメント例文についても紹介しますので、自身や社員が実際に書いている文章と照らし合わせてみましょう。


360度評価を活用し、社員の行動変革を促したい方のお悩みを解決できる内容のため、ぜひ最後まで読んでみてください。


360度評価のコメント記載時の3つの注意点

360度評価のコメントを記載する際には、受け手が次に何をするべきか明確になるような伝え方が重要です。また、ネガティブなコメントは伝えられて気持ちの良いものではありません。批評ではなく、客観的な内容を伝えるよう心がけましょう。


コメント内容は具体的に記載する

コメント内容には、評価・改善点ともに具体的な事例を記載しましょう。「顧客に対して向き合っていた」「周囲と協働ができていない」など、事実だけを伝えてしまうと、どの場面かが想像しにくく、納得度が下がります。ときには「嫌われているかも」といった反感や軋轢(あつれき)を生む可能性もあるでしょう。


「一緒に訪問した顧客に対する提案が良かった」「周囲の社員へ仕事をお願いする時の頼み方が良かった」など、具体事例をセットで伝えることで、本人の納得度も上がり、継続すべきこと・改善すべきことがそれぞれ明確になります。また、普段から自身の業務を見てくれている、といった安心感や信頼にも繋がります。


改善行動に繋がるフィードバックを行う

コメントに改善点を提示する際は、事実や事例の記載だけに留まらず、どう行動して欲しいかという改善内容もセットで書くようにしましょう。コメントを行う目的は、自身の業務内容を客観視し、改善点に気づき、行動してもらうことです。


事実の記載だけだと、気づきは与えられても、実際に何をすべきかが明確ではなく、改善を放置してしまう社員も発生します。例えば「売上目標未達」といった改善点に対して「受注数を増やすために提案の質をあげて欲しい。そのため、上司や先輩と週1で相談時間を入れてみよう」などネクストアクションを同時に伝えることで、改善行動のハードルが下がります。


若手社員にはより詳細に伝え、歴が長い社員には自身で考えてもらった行動計画をもとにアドバイスを行うなど、社歴やスキルに応じた使い分けも有効です。


感情だけの批評を抑えて客観的なコメントを心がける

360度評価は、客観的なコメントをもとに気づきを与える場です。そのため、ネガティブなフィードバックも避けては通れません。しかし、感情だけでコメントを書いてしまうと、受け手を傷つけたり、関係性を悪化させたりと悪い方向へ進むリスクがあります。


改善点を記載する際は、実際の事例や組織役割に沿った客観的なコメントを書くようにしましょう。本人に対してではなく、行動に対してフィードバックを行う意識が重要です。また、評価軸や基準を事前に明確化しておくことで、自然と客観的なコメントになります。


ただし、改善案が全く含まれないフィードバックは本人の成長に繋がりません。言葉選びや語尾にも注意を払いながら、真摯に向き合ってみてください。


【役職ごと】360度評価のコメント例文

360度評価は、上司・同僚・部下と立場の異なる相手にコメントを書く点が特徴です。相手に合わせたコメントの書き方を解説します。コメント例文では、以下の3つの観点をそれぞれ紹介します。


  • ポジティブ
  • ネガティブ
  • NG例


ポイントを押さえて、双方にとって価値あるコメントを記載してみましょう。


上司へコメント

上司へコメントを行う際は以下のポイントに注意しましょう。

  • マネジメント力の評価を意識
  • 具体的なエピソードを交える
  • 必要に応じて匿名コメントにする


日常業務では、部下から上司へフィードバックを行う場面は多くありません。「あのときこうして欲しかった」「あのときの言葉が嬉しかった」など素直な気持ちを、具体的な事例を交えて伝えることで、上司自身も受け取るハードルが下がります。

ポジティブコメント例文

  • 会議や打ち合わせの際、周囲に気を配り、均等に発言の場を作っている
  • 各自の業務進捗に気を配り、ときには手助けや指示をしてくれる


チームメンバーのコンディションに対する気遣いや目標達成に向けたプロセス設計など、マネジメントについて具体事例を交えたコメントを書きましょう。受け取った上司は、メンバーとの普段の接し方に自信が持てます。

ネガティブコメント例文

  • コミュニケーションを取る際、公私混同した発言が多く納得感が低い
  • 業務の振り方が抽象的であり、行動に繋げるまでに時間がかかる


部下から上司へ改善点を投げかけるのは勇気がいることでしょう。実際の例を書くなど納得してもらうための工夫が重要です。匿名制による伝えやすい環境作りもぜひ検討してみてください。

NGコメント例文

  • 常にサポートしてくれて感謝している
  • 周囲をよく見ており、マネジメント力が高いと感じる


関係性に気を遣い、あたり障りのない良い点だけを伝えるコメントは「改善点がないんだ」「あまり見てもらえていないのかな」と、根拠のない自信や不安に繋がります。率直な意見が書ける環境作りも意識しましょう。

同僚へコメント

普段話しやすい同僚に対しては以下のポイントに気をつけてコメントを送りましょう。

  • 立場が近いため、より客観的な評価を意識
  • 上司・部下に見せない姿に対するフィードバック


立場が近い同僚だからこそ気づけるポイントを中心に、コメントを送ると効果があります。率直な意見を伝えることと悪口や批判を書くことは別です。感情を切り離し、より客観的なコメントを意識しましょう。

ポジティブコメント例文

  • 後輩育成の姿勢や手法は見習う点も多い
  • プロジェクト内で、社内外に対する意見の調整力が素晴らしかった


同僚にしか気付けない一面をコメントすることで、上司や部下目線では気づけない新たな発見が生まれます。また、過去からの変化についても触れることで、成長点も実感しやすいでしょう。

ネガティブコメント例文

  • 自身だけで業務を行わず、ノウハウを後輩に伝えることでチーム全体のスキル底上げに繋がる
  • 業務を抱え込みすぎず、もっと周りに頼って欲しい


こちらも同僚にしか見せない一面をコメントしましょう。特に、改善点は伝えづらいものです。相手の成長を考え、素直なフィードバックを行ってみてください。

NGコメント例文

  • いつも仲良くしてくれていて嬉しい
  • みんな頑張っているからもっと頑張るべき


近い立場にいるからこそ、馴れ合いや感情がこもったコメントになりがちです。公私混同せず、本音で書きましょう。

部下へコメント

部下へコメントを行う際は以下の観点に注意しましょう。

  • スキルとスタンスの評価を分ける
  • プロセスに対するフィードバックを増やす
  • 自身を基準にしない


部下を評価する際、自身と同じレベルを求めないよう、注意が必要です。経験が少ない分、できない点が目立つのはあたり前といえます。スキルとスタンスの両面から評価を行い、結果だけでなく過程にも目を向けることで、部下はモチベーションを維持しながら成長へと繋げていけるでしょう。

ポジティブコメント例文

  • A社に対するアプローチ手法や周囲の巻き込みが素晴らしかった
  • 会議の場で自身の意見を述べていて、チームの活性化に繋がった


プロセスや日常業務に取り組む姿勢についてコメントすると、理解してくれていると感じてもらえます。

ネガティブコメント例文

  • 遅刻や報連相の漏れなど、業務態度への改善が必要
  • 自分だけでどうにかしようとせず、周囲をもっと頼って欲しい


できないことではなく、やっていないことについてコメントしましょう。特に周囲に迷惑をかけていることは、具体例とともに早めに伝えるのが双方のためです。

NGコメント例文

  • スキル不足が目立つ
  • 目標未達だったため、もっと頑張って欲しい


成果ばかりに目を向けたコメントはやる気を削ぎ、成長にも繋がりません。プロセスや姿勢の観点からの評価を行いましょう。

【職種ごと】360度評価のコメント例文

立場に続き、役職別のコメント例文についても紹介します。気をつけるべきポイントは、職務内容によって評価方法が変わる点です。例えば、営業職は定量目標が分かりやすいのに対し、事務職は目に見えづらい定性目標になりがちです。相手の職務内容や目標に合わせたフィードバックを心がけてみてください。


営業職へのコメント

営業職の社員へコメントを記載する際は以下の観点に気をつけましょう。

  • 成果ばかりではなく、プロセスに目を向ける
  • 社内協働者や顧客の声など客観的評価も伝えられると良い


売上目標など、数字に追われることが多い職種であるため、成果面にばかりフォーカスしてしまいがちです。定量成果はもちろん大切ですが、プロセス面についてもフィードバックを行うことを意識してみてください。その際に第三者の声と一緒に伝えられると、納得度も増します。

ポジティブコメント例文

  • 目標達成に向けて、受注率を上げるための工夫が素晴らしい
  • 自身の知見を社内メンバーに還元し、チームの雰囲気を良くしている


数字のフィードバックのみだと、達成しないことが悪く、目標さえ達成すれば何でも良いんだと感じてしまう可能性も。取り組み過程や工夫についても同じ比率でコメントしてみましょう。

ネガティブコメント例文

  • 目標未達に対して、訪問件数が少し少ないから接点数を増やす工夫をしてみよう
  • ノルマ達成は良いが、社内メンバーに対する頼み方は少し改善してみよう


目標達成に向けたプロセスの改善点や社内メンバーに対する働きかけなど、ノルマだけに限らない幅広い観点でコメントすることで、次の行動が明確化されます。

NGコメント例文

  • ノルマ達成していないからもっと頑張ろう


売上やノルマだけのコメントの場合「そんなことわかっているよ」とモチベーションがダウンしてしまう可能性があります。目標に向けたプロセスの評価や社内メンバーへの働きかけなど、さまざまな視点でフィードバックしてみると良いでしょう。

事務・アシスタント職へのコメント

事務・アシスタントなど内勤職の社員へのコメントには以下の注意が必要です。

  • 仕事の丁寧さやミスの少なさを評価する
  • 周囲の評価の声も伝える


事務職やアシスタント職は定量目標を追わないことも多いため、業務のプロセスや周囲からの評判を中心にフィードバックしましょう。誰にでも当てはまりそうなコメントにならないよう、具体的な事例も交えて記載することで、受け手側の納得度が増します。

ポジティブコメント例文

  • 業務改善に向けた提案のおかげで部署の生産性がアップした
  • 丁寧に早く仕事をしてくれるおかげで、営業からの感謝の声がたくさんあった


日々変化を感じにくい職種だからこそ、事例や協働者の声を一緒に伝えてみましょう。

ネガティブコメント例文

  • 顧客対応で大きなミスがあったから、手順をこのように改善してみよう
  • タスクの抜け漏れに対して、管理方法を一緒に考えてみよう


事務・アシスタント職は顧客に直接影響を及ぼす対応から、社内完結の事務手続きまで幅広い業務を行う職種です。行動の改善案をともに伝えることで、コメントを受け取った社員がさらに良い働きをできるようになります。

NGコメント例文

  • ミスなく、丁寧に仕事をしてくれてありがとう
  • いつもお疲れ様です


事実であっても、誰にでも当てはまる内容のみに留まってしまうと「私のことをみてくれてないかも」「正しく評価されてないのかな」と不安や不満に繋がります。日常のささいなことでも、実例を交えることで不安や不満を取り除けるでしょう。

技術職へのコメント

技術職の社員へのコメントは以下のポイントに注意しましょう。

  • スキルアップの量・質を前回差分で比較する
  • 業務内容が企業や組織に与えている影響を伝える


前回コメントを送った時期との差分や業務が企業にどう貢献しているかを可視化できると、モチベーションアップに繋がります。

ポジティブコメント例文

  • 資格取得への努力やスキルアップへの意識が感じられて良い
  • 周囲の協働者と密にコミュニケーションを取れて、プロジェクトの中心メンバーとなっている


スキルアップについてのフィードバックはもちろん、協働者への働きかけや業務効率化など、結果が目に見えづらい部分へのコメントも忘れず記載しましょう。

ネガティブコメント例文

  • 現状に満足せず、新しい知見を取り入れることで、このようなシステムを実現して欲しい
  • 周囲との協働を通したリーダー経験を積んでみよう


変化が激しい現代において、常にアップデートが必要な技術職は多いです。また、技術職でも周囲との協働は欠かせません。現状に満足せず、幅広い知見やスキルを身につけられるようなフィードバックを行ってみましょう。

NGコメント例文

  • 現在の業務においてできることを頑張っています


曖昧に褒めるだけで終わらず、成長に向けたコメントが大事です。周囲とのコミュニケーションやプロセスに関する評価を怠ると、作業さえできれば良いと感じさせることがあります。さまざまな観点からフィードバックを行いましょう。

360度評価コメントを行う際の3つの基準

360度評価での評価軸が明確であれば、具体的なコメントが可能です。一方で、明確でない場合は、記載する人たちが思う主観的な基準や理想に合わせたフィードバックになってしまいます。バラバラの観点や目標に沿っていないコメントは、受け手の混乱や反感を招くリスクがあるでしょう。


そこで、360度評価を行う際によく用いられる3つの基準について解説します。立場や職種に応じて比率を変えながら、目標を設定してみましょう。


成果評価

成果評価は、売上目標や受注社数など、目標に対する達成度合いで判断します。具体的な数値が根拠となるため、ほかの項目と比べてコメントしやすい点が特徴です。達成・未達成のいずれの場合も、成果だけでなく、プロセス面にも目を向けることで、受け手の更なる成長を促せます。

能力評価

知識やスキルに対する評価です。定量で表せないものが多いため、事前に評価基準のすり合わせが欠かせません。主観的にならないよう、能力の向上を裏付ける評価や事例を織り交ぜて伝えましょう。前回のフィードバックからの変化点を記載することも効果的です。


情意評価

業務態度やコミュニケーション、責任感など、日常業務におけるスタンス面を評価します。感情や主観が入りやすい項目であるため、日々の具体例を交えましょう。曖昧なフィードバックは不満に繋がるため、公平に伝えるように心がけてみてください。


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社員成長を加速させる360度評価はタレントパレットがおすすめ

360度評価は、幅広い観点から客観的なフィードバックをもらえる、社員成長の場です。日頃関わりが少ない部署や、立場を問わず、さまざまな視点でコメントをもらえるため、新たな気づきを得られます。


360度評価コメントを通して、風通しの良い社風や人材育成の強化が実現可能です。「社内コミュニケーションが活発でない」「離職の原因がわからない」「人材育成するにも何からすれば良いかわからない」のような悩みを抱えている企業には有効な打ち手となるでしょう。


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