タレントレビューとはなにか? タレントマネジメントとの違いや目的について解説


タレントレビューとはなにか? タレントマネジメントとの違いや目的について解説

タレントマネジメントで活用される手法のひとつに、「タレントレビュー」があります。タレントレビューとはどのようなもので、何のために行うのでしょうか。この記事では、タレントレビューとタレントマネジメントとの違い、関連性、目的などについて解説します。

タレントレビューとは

タレント(talent)とは能力や才能、技量、特技のこと、レビューは批評や評論、調査、検討のことです。タレントレビューとは「組織内の人材の能力を分析し、人材の評価や配置、選抜、教育方針などの検討を行う一連の流れ」のことを言います。
 
タレントレビューの対象は社内の全社員、タレントレビューを行う主体は主に直属の上司やその上長、人事部、経営層などです。
 
欧米の企業やグローバル企業ではこのタレントレビューを実践しているところが少なくありません。日本でもここ数年、タレントマネジメントが普及してくるのに伴ってタレントレビューを行う企業が徐々に増えてきています。

タレントマネジメントとの違い

次に、タレントレビューとタレントマネジメントの違いについてご説明します。タレントマネジメントとは、社員が有するタレント(能力や才能)に関する情報を明確化した上で一元管理し、人員配置や人材開発に最大限に活用するという、科学的アプローチを取り入れた人事マネジメントです。
 
もともとタレントマネジメントは、1990年代のアメリカでトップ人材の発掘のために考え出されました。しかしその後、主にグローバル企業において、各国の拠点で採用したローカル人材の能力を客観的に把握する必要性が生まれ、グローバル規模で統一された能力評価基準として活用されるようになったという経緯があります。
 
タレントレビューは、このタレントマネジメントの一環として行われるものです。また、日本国内では、タレントマネジメントを実践するにあたって「タレントマネジメントシステム」と呼ばれるシステムを導入するのが一般的になっています。したがって、タレントレビューも、タレントマネジメントシステムに格納した人材に関するデータを参照しながら行うケースが多いようです。

タレントレビューの目的と背景

ここでは国内企業でタレントレビューを行う目的と背景について説明します。
 

タレントレビューの目的

タレントレビューでは社員1人ひとりの能力、資質、スキル、経験、キャリアプラン、課題などを明確化して分析します。また本人の仕事に対する考えや志向、マインドなどもデータとして考慮されることもあります。
 
タレントレビューの主たる目的は、各組織に必要な人材を明らかにして適材適所の人事を行うことにあります。また、プロジェクト人員の抜擢のためにタレントレビューが行われることもあります。
 

タレントレビューが注目を浴びる背景

近年、日本でも人材の流動化やグローバル化の推進が進んでいます。国内のグローバル企業、あるいは国外へ市場を広げている企業や外国人を多く採用している企業を中心に、グローバルスタンダードな人事評価の導入が求められてきています。
 
加えて、少子高齢化により労働力人口が減少しているため、人事マネジメントは「いまいる人材のタレントを伸ばして成果に結びつける」ことが大きなテーマとなっています。
 
タレントレビューおよびタレントマネジメントは、こうした要求に応える人事評価・人事マネジメントの方法のひとつです。人材データを用いることで、客観的かつロジカルに人材の能力や資質を把握・分析し、人事評価、最適配置、人材開発などに結びつけられる方法として評価され、注目されています

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タレントレビューの手順と具体的手法

最後に、タレントマネジメントを導入し、タレントレビューを実践する具体的な方法について紹介します。
 

タレントレビューの手順

タレントレビューを行うときは、まず企業内の各組織にどのような人材が必要なのかを分析して仮説を立てる「組織レビュー」を行うことが多いでしょう。また、さまざまな人材に関する情報を集約した「人材データ」も事前に用意しておきます。人材データの構成要素は能力や経歴、成績などに加えて上司による評価、アンケートや1on1面談の結果のほか、それらのデータの分析情報もふくまれます。
 
組織レビューの結果と人材データがそろえば、あとはタレントレビューを通じて両者をマッチングさせればよいことになります。人材配置や異動、昇格、プロジェクト編成などを考える際はこの手順が基本となります。
 
もしも適した人材が見つからない場合は、最も条件に近い人材を探し、どのような教育やモチベーションアップのためのアプローチが必要かを考え、本人に提案することも可能です。

組織のデータと社員のデータとの両方を見える化することがタレントレビューの第一歩

タレントレビューに使える手法「9ボックス」

人材データをもとにレビューをする際の指標としてよく用いられるのが「9ボックス」です。
 
9ボックスでは横軸に「ラーニングアジリティ(ポテンシャル)」、縦軸に「パフォーマンス」を設置し、それぞれの達成度によって人材を9つのタイプに分けます。ラーニングアジリティはよく学習機敏性と訳され、過去の経験などを活かして初めての仕事や環境でも迅速に適応して対応ができる能力を指します。
 
9ボックスは社員のランク付けをするレイティングに似ている部分がありますが、基本的に人材ごとの個性や適性を明確化するための手法であり、必ずしも人材の優劣を付けるものではないこともポイントです。

タレントレビューやタレントマネジメントは、今後さらに多くの企業で導入が進んでいくでしょう。タレントマネジメントを前提とした人事管理・人事評価・人材活用のためのタレントマネジメントシステムが、すでに多くの企業で活用され始めています。
 
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