離職率が高くなる原因を整理して、離職率を下げる対策を考えよう!


離職率が高くなる原因を整理して、離職率を下げる対策を考えよう!

人材の確保そのものが困難な状況にある昨今、離職率をできる限り下げることは企業にとって非常に重要な課題となっています。人材の定着なくして企業の成長は成しえません。離職率が高くなる原因を整理し、離職率を下げる対策について解説します。

離職率とは

離職率とは、入社から一定期間後に退職した人の割合のことです。企業が、自社の社員のうち退職する人がどれくらいの割合で存在したのかを把握したいときに確認するのが一般的です。離職率は当然低いほうが良いとされ、離職率を低く抑えるためにさまざまな人事施策が行われます。
一方、厚生労働省が毎年発表している「雇用動向調査」にも離職率が出てきます。同調査の離職率は「常用労働数に対する離職者の割合」で計算されるものです。
雇用動向調査は日本の「雇用労働力の産業、規模、職業及び地域間の移動の実態を明らかにする」という目的で、年2回実施されています。「主要産業における入職・離職及び未充足求人の状況並びに入職者・離職者に係る個人別の属性及び入職・離職に関する事情」を調査するというのが概要です。
雇用動向調査における令和2年(2020年)の離職率の全国平均は14.2%でした。これは前年と比べると1.4ポイント低下となっています。
業界別に見ると、最も離職率が高いのは「宿泊業、飲食サービス業」で26.9%です。さらに「サービス業(他に分類されないもの)」が19.3%、「生活関連サービス業、娯楽業」が18.4%、「教育、学習支援業」が15.6%と続いています。
 
 

離職率が高くなる原因

離職率が高くなる原因として考えられるのはどのようなことでしょう。代表的な原因を3つ挙げてみましょう。
 

・職場環境への不満が多い

職場環境に対する社員の不満が多く、ストレスの溜まりやすい状況が形成されていると、どうしても離職率は高くなっていきます。
とくに労働時間が長い会社では離職率が高くなる傾向が見られます。毎日のように残業するのが当たり前になっていたり、深夜残業や休日出勤も多かったりする場合は心身の健康に影響が及ぶこともあります。そうなれば仕事を続けるのが難しくなり、おのずと離職率も高くなるでしょう。
他に、社員1人ひとりの負荷が高すぎる、与えられる業務内容が明らかに通常より負担が大きいような職場も問題です。また、ハラスメントが横行しているような職場も人が定着しません。
 

・給与に満足いかない人が多い

日頃の労働量に対して給与が安いこともモチベーションを下げる原因となります。仕事を続けていてもまったく生活レベルが上がらなければ、転職を考えるようになるのも当然でしょう。
年功序列などがいまだに残っていて、能力や成果に見合った評価がされず、一向に給料が上がらなければインセンティブもないといった場合も、離職率は高くなります。
 

・会社に対しての不信感を持ちやすい

人事評価制度もそうですが、他にも十分な社内教育が受けられない、適材適所が実行されていない、社員に対するリスペクトが感じられないといったことがあると、会社に対する不信感が募っていきます。結果、会社に期待する気持ちがなくなり、将来に対する希望も失って、退職という行動に結びつきやすくなります。
 
職場の上司や経営層の理不尽な振る舞い、不誠実な態度などが目につくようになると、その人物に対してストレートに不信感を抱くようになる可能性もあります。

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離職率を下げる対策

離職率を抑えるにはどのような対策が有効なのでしょうか。考えられる方法を3つご紹介します。
 

人材配置の最適化

人材を最もふさわしい部署やポジションに配置し、全体のバランスをとることができれば、社員の能力を引き出しつつそれぞれに役割を与えられ、社内コミュニケーションも活性化することができるでしょう。会社に対する信頼感も生まれ、満足度を高められるはずです。
人材配置の最適化は、1人ひとりの社員の能力・経歴・適性・志向などをしっかりと把握できていることことが前提となります。人材に関する情報をデータ化して管理する、いわゆるタレントマネジメントの実践が有効となるでしょう。
 

評価制度の見直し、納得感の醸成

評価制度を明確化して社員の納得感を得ること、また「正当な評価」を全社員に適用し、継続して企業カルチャーとして醸成させていくことも求められます。
具体的な事例を挙げてみます。株式会社ADKホールディングスでは、人事評価に関して、「納得度」というKPIを重視しています。そのため評価者側、被評価者側それぞれにとっての課題と感情を抽出するべく、半期に1回の評価のタイミングでアンケート調査を実施して、評価の納得度を収集しています。
アンケートを実施して課題抽出・仮説設定を行い、課題解決策を実行、効果検証をするというフローは、タレントマネジメントシステムであるタレントパレットというツール上で行っています。この方法で課題抽出と解決策の実行を繰り返した結果、人事評価に対する「納得度」を徐々に向上させることに成功しているとのことです。
ちなみに、タレントパレットでは社員の回答をテキストマイニングすることも可能なので、アンケートの定量的な分析結果が得られるだけではなく、定性的な分析も行えます。
 

社内風紀・倫理教育

ハラスメントの横行などに対しては、社内風紀を正すための倫理教育を行う必要があります。一般社員だけではなく、管理職や経営層に対しても教育は必要です。
 

IT化による業務改善

労働時間の短縮や業務負荷の軽減化を果たすには、IT化による業務改善を推進する方法が有効です。
手のかかる事務作業をITの活用で簡略化する、これまで紙の書類を使っていたことをデジタルデータでの共有に切り替えるといった方法で、業務効率化を推し進めましょう。IT化はテレワークの導入にも好影響をもたらすため、働き方の多様化にも結び付けられます。
離職率が高くなることは企業にとって頭の痛い問題ですが、原因を整理していけば対策を講じることはできます。
 
 

まとめ

タレントパレットは科学的人事をワンストップで提供するタレントマネジメントシステムです。人材データの一元管理を可能とし、最適配置、人事評価、課題抽出・分析などに役立てることができます。退職者分析や社員のモチベーションの可視化なども可能なので、離職率を抑制するための人事戦略を計画し、実行するための方法として、タレントパレットをご活用ください。