IT人材の育成が必要な理由
まずはIT人材の定義について説明しましょう。IT人材とは、ITシステムやITツール、IT機器の導入や運用の際に、専門知識やスキルを用いて対応できる人材のことです。また、WebサイトやWebサービスの構築に関わるような人材もIT人材といえるでしょう。
ときには、IT製品やITサービスを使いこなせる人材がIT人材と呼ばれることもありますが、現在ではシステムやアプリの設計、あるいはプログラミングなど、開発者やエンジニアに近い知識・スキルを持つ人をIT人材と呼ぶことが多くなっています。企業内におけるIT活用の推進を担う役割を持つ社内SEは、IT人材の代表といえます。
IT人材の需要が高まっている背景には、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性を認識し、その実現に取り組んでいることが挙げられます。
問題は、短期間で需要が拡大したために、熟達した知識やスキルを持つIT人材を中途採用して確保するのは難しくなっていることです。
自社内のIT人材の育成が必要な理由もそこにあります。今後どのような企業であっても、ITに関する専門知識やスキルを持つ人材は必ず必要となるでしょう。ますます需要は高く、人手不足は深刻になっていくと予想され、社内でIT人材を育成する仕組み の確立が不可欠なものとなりつつあります。
IT人材の育成を成功させる方法
では、IT人材の育成はどのようにすれば成功させられるのか、考えられるポイントを4つ紹介します。
IT人材が皆無であれば採用も検討する
社内にIT人材、もしくはIT人材候補がまったくいないという状況であれば、ゼロからIT人材を育てるのは難しいと言わざる を得ません。まずは1人でもIT知識やITスキルを持った人材を採用するのが先決となるでしょう。その際、後に続くIT人材を育てられるようなマネジメント能力を持つ人材を採用できれば理想的です。
また、一時的にIT人材を補充するのであれば、派遣社員を活用するという選択肢もあります。IT人材に強い派遣会社は増えており、さらに派遣社員を経て直接雇用につなげられるケースもあります。
IT人材を育成するプログラムを用意する
ITに関して少しでも知識やスキルを持つ人材が社内にいるのであれば、育成プログラムを用意して教育することができます。始めから社内で育成プログラムを用意せず、IT人材を養成するための外部研修を利用するのが一般的です。
システムや各種ITツールの理解、データサイエンスやデータベースの理解、Webサイト・Webサービス構築、各種コンピュータ言語習得、システム開発に至るまで、ジャンルやレベルに応じた研修を見つけることができるでしょう。
また、こうした研修を受ける際、厚生労働省が定める人材開発支援助成金などの助成金制度を利用できる可能性があります。
社内にすでにIT基盤があって利用者もいるのであれば、社内勉強会や研修を行って新たなIT人材を育成する体制を整える方法も選択できます。
IT部門への配置転換を試みる
社内にIT部門がある場合、非IT部門の社員をIT部門に振り分けてIT人材を増やすという方法も考えられます。人事、総務、経理などの間接部門の社員を、ITサービス事業に配置転換するという試みを行っている企業も存在します。
また、ある部門に新たなITシステムを導入したことをきっかけにIT人材が必要となった場合も、非IT部門からの配置転換で対応するケースがあります。その際は非IT部門の人材を抜擢して外部の研修を受講させ、当該部門に配属するといった方法を取るのが一般的です。
長期的な計画を立てる
応急処置的なやり方ではなく堅実にIT人材を育成するのであれば、長期的な計画を立てる必要があります。IT関連職に就くことを志向する人材を新卒などで採用し、目的に応じた研修を受けさせ、現場での経験も積み重ねながらIT人材を育てていくようなやり方です。
この方法は十分な知識やスキルを身につけるまでは数年単位の時間が必要になると考えられますが、第1世代が育って定着すれば、その後に続く人材の育成にも目処がつくでしょう。
一方、この方法にはリスクもあります。せっかく知識やスキルを習得した人材が転職してしまうと、それまでの投資が無駄になってしまうリスクです。転職防止のためには、人材育成を進めながら、従業員満足度やエンゲージメントを高めるための努力や工夫を行うことが求められます。
多くの企業にとって社内でIT人材の育成を成功させられるかどうかは、DXを実現して会社の競争力をつけることに直結する大きな課題です。まずはIT人材をどのように育て確保するかの方針を定めていくべきでしょう。
まとめ
タレントパレットは社内の人材の能力やスキルをデータ化して把握できるタレントマネジメントシステムです。社員のスキルを見える化し、IT人材の抽出や習熟度合いを確認できます。また採用面では新卒の応募から面接、採用までのプロセスを一気通貫で管理する機能も備えており、採用後は各人材の成長度をモニタリングできるなどIT人材の長期的育成にも対応可能です。科学的人事をワンストップで提供するタレントパレットをIT人材のマネジメントにお役立てください。